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月刊情報グラスネット(草の根国際交流・協力活動メールマガジン)
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【第16号】 平成15年9月26日発行      定期購読者数:1451人

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☆目次☆
1.周回遅れの日本
 
2.寄稿:
◆日本の国際交流の実像に迫る−2004年度『概観国際 交流調査』を実施します−
国際交流基金 企画部 高橋力丸
 
◆「多文化社会」へと向かう日本−助成申請を通して見る 在日外国人支援NPOの実態−
日本国際交流センター チーフ・プログラムオフィサー 伊藤聡子
 
3.レポート:
「第1回国際交流協力実践者全国会議」が果たした成果と生み出した課題

4.日本国際交流センターからのお知らせ
◆「ポジティブ・ライブス」写真展東京にて開催!
−HIVに感染して生きる人々の日常をとらえた国際写真展プロジェクト−
◆出版物のご案内
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1.周回遅れの日本
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 日本国際交流センターでは経済広報センターの委託事業で、アジア、ヨーロッパ 7カ国のNGO活動についての調査を行っている。日本の企業進出が進むこれらの国で シビル・ソサエティがどのような発展状況にあるのか、また企業とNGOとの連携は どうかなどの調査を進めている。

改革派と守旧派の対立

 各国の専門家による調査レポートを概観したあと、現在の日本を振り返ると、国内で 活発に行われている改革に向けての議論が偏ったものとして見えてくる。改革の議論は 、従来通りの政府主導型の改革を主張する守旧派に対して、肥大化した政府と政府関連 組織のスリム化を図るとともに、民営化、市場経済化路線による合理化を主張する改革派が 対立するという図式の中で行われている。しかし、両者の議論の中で、NPOセクター やシビル・ソサエティの役割が議論されることはなく、あるとすれば、政府に代わる安価な サービス提供者としてのみNPOの存在が認識されている程度のようだ。

英国の「第三の道」

 一方、英国でサッチャー政権が政府の縮小を行い市場経済化を進めたのは20年以上 前の話である。政府組織のスリム化によって肥大した官僚組織の是正はおこなわれた ものの、その後、行き過ぎた市場経済化によって生じた貧富の格差や社会不安が大きな 社会問題となった。その反省から、現ブレア首相の側近といわれるアンソニー・ギデンズが市場経済導入 による効率化と社会的公正の両立をめざす「第三の道」を唱えたが、それからすでに 5年を経過している。
 その過程で注目されたのがNPOセクターである。英国政府のNPOの役割の重視の姿勢は、政府の財政難の中にあっても、ブレア首相自身が2001年に率先しておこなったNPOへの市民の寄付を促す「Giving Age」のキャンペーンで示されている。さらに移民国家となった英国では社会不安を解消するために「Social Cohesion」や「Inclusion」など、社会の一員としてのつながりや共生が大きなテーマとなっているが、それを支えるのが地域社会で活動するNPOセクターであるとの認識がある。
 NPOの活動家(社会企業家とも呼ばれる)の中には、社会の底辺にいる人々や移民に力をかす組織も多いが、そうした組織の斬新な活動を英国政府は積極的に支援している。また政府資金をNPOに支出する場合に、NPOセクターの柔軟性、自発性を保障することを取り決めた政府とNPOセクターとの包括的な協定「Compact」の動きも興味深い。

社会構造改革としてのNPOの議論を

 一方、日本国内では、今後、政府機能の縮小によって政府からNGO、NPOへの流入資金の拡大が予想されるが、厳密な会計アカウンタビリティを求められることで、NPOが本来持つ機動性や自発性が失われると危惧する関係者が多い。 
 日本ではNPOの議論はNPO関係者の間では法制度などテクニカルな面に議論が偏りがちで、一般市民に訴えかける力が弱いように感じられる。また政府や政治家はNPOをコミュニティレベルの枠組みの中でとらえ、日本の社会構造改革の一環としての政策議論は活発には行われていない。
 そのせいか、テレビなどの一般市民が見聞きする現在の日本再生の改革論議は、極論すれば政府と企業との二つのセクターの間でのせめぎ合いで、社会を支える第三のセクターとしてのNPOの意義がより深く理解されないまま、日本の将来像が語られている。NPOセクターの秘める日本再生の可能性をマスメディアを通してわかりやすい言葉で訴えかけ、幅広い市民や政治や経済の中枢にいる人々を巻き込んだ議論へと高めていく必要があるのではないだろうか。

(毛受敏浩)

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2.寄稿
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◆日本の国際交流の実像に迫る−2004年度『概観国 際交流調査』を実施します−
8000を越える日本の国際交流団体

 国際交流基金では、国内の国際交流活動動向を把握するために、定期的な社会調査 『概観国際交流調査』を行っています。この調査は、全国の国際交流活動団体(80 16団体)を対象に郵送によるアンケートを実施し、その回答を分析、とりまとめた ものです。最終的な調査集計対象数は民間非営利団体を中心に2545団体となり、 全国の国際交流団体のアンケート調査としては最も網羅的なものと言ってよいと思わ れます。2001年1月から2月にかけて実施した第一回目の調査結果報告書は、基 金のホームページに掲載されているので閲覧可能です。集 計対象2545団体のダイレクトリー・データベースも同様に公開されています。

国際交流団体のすがた

 この調査報告書のポイントを要約すると以下のようになると思われます。

  • 組織:国際交流団体の69.4%が法人格を持たない任意団体であり、次いで財団 ・社団法人が24.3%、特定非営利活動法人(NPO法人)2.0%の順となっている。
  • 所在地:国際交流団体の地域別の所在地分布は、関東、近畿、九州・沖縄の3 地域で全体の55.1%を占めており、団体数の上では3地域に集中している。しかしな がら、地域別の人口割合との対比では、団体数の割合はほぼ人口割合に一致してお り、単に東京、大阪等の大都市集中の状況ではなく、地域の人口規模に応じて全国各 地に幅広く活動の裾野が広がっている。
  • 財政規模:年間事業費が100万円を超える団体が全体の49.4%、100万円 未満の団体は36.9%。
  • スタッフ数:国際交流活動団体の59.2%が常勤役職員を置いており、人数的に は1〜5名とする団体が最も多い。
  • 活動分野:「生活文化」(日本の生活様式やお茶・お花・食文化まで広く含め た総称)が最も多く(24.3%)、次いで「芸術」(19.4%)と「学術」(19.3%)がほ ぼ同数である。なお、「外国語教育」と「日本語教育」を「語学」として括ればその 割合は19.4%であり、「芸術」と並ぶ。従って、「生活文化」、「芸術」、「語 学」、「学術」の4分野に亙って、ほぼ均等にバランスよく活動が行われている。
  • 事業対象地域:アジア(42.3%)、米州(23.1%)、欧州(18.6%)の順に多 い。国別では、中国が突出して多く、次いで多いのは米国と韓国であり、他の諸国は ほぼ同程度となっている。

来年の調査をどう行うか

 さて、第二回概観国際交流調査は明2004年度に実施を予定していますが、その 準備に向けてこのたび調査協力委員会が設置されました。同委員会のメンバーは、多 賀秀敏(早稲田大学社会科学部教授)、田代正美(経済広報センター常務理事)、古 川俊一(筑波大学社会工学系教授)、毛受敏浩(日本国際交流センター チーフ・プ ログラムオフィサー)、望月時男(自治体国際化協会調査部長)、若山佳子(トヨタ 財団30年史編集室室長)の方々です。先般、第1回協力委員会が開催されました が、多文化共生への取り組みを始めとする国際交流の大きなダイナミズムをどのよう にすくい取ればいいのか、また組織の疲弊に見られるガバナンスの問題等、国際交流 団体が抱える課題をどのように的確に把握し、その課題の解決に向けたヒントを提供 できるのか、といった論点を含め活発な議論がなされました。
 次回調査においては、こうした専門家の方々や、国際交流活動に携わる方々の貴重 な意見を反映させながら、より有益な報告書を提供できるよう鋭意努めるつもりで す。アンケート調査へのご回答等、今後の概観国際交流調査へのご協力をよろしくお 願い致します。

(国際交流基金企画部 高橋力丸)



◆「多文化社会」へと向かう日本−助成申請を通して見る在日外国人支援NPOの実態

 「「新生児の5人に一人は、両親のうち少なくとも一人が外国籍」。これは、移民国家アメリカやオーストラリアの話ではない。東京都の新宿区と港区で生まれた新生児の統計である。この2区は特に外国籍人口の多い地域ではあるが、それにしてもと驚く方も多いのではないだろうか。しかし、国際結婚(夫妻の一方が外国籍)の件数が、全国では21組に一組、東京23区に限ると12組に一組であることを考えると、日本がすでに多文化社会になっていることが理解できよう。
 このことは外国籍の住民だけの問題ではない。日本国籍を取る帰化者は増加しているし、日本にエスニック・ルーツをもつ日系人、中国帰国者(残留孤児)も地域社会に増え、その一方逆に、海外に永住する日本人の若者、自己形成の時期を外国で過ごした帰国子女なども増えている。日本国民であるという国籍と民族的・文化的アイデンティティが必ずしも一致しない、また、一致しなくてもよい、という社会に近づきつつあるのである。

NPOのニッチとは何か

 しかしその道は険しい。長らく同質的と言われてきた日本社会では予想だにしなかった複雑な課題が新たに生まれている。社会保障、保健医療、教育、労働、住居、人権など、難問が山積し、外国出身の人々が生活する上で必要な受け入れ制度が整っていない。国や自治体がこのような課題に必ずしも効果的に対処できない中、その隙間を埋めているのがNPOである。出身国の言語や保健医療、外国人の在留に関わる法律など、行政がもたない専門知識を持っていること、地域社会で外国人と身近に接してその実態をよく把握していること、さらに超過滞在など非正規の在留資格をもつ人々の課題にも柔軟に対応できる、という3点がNPOのニッチである。

社会公正をめざすリーバイス基金

 筆者は、この数年、日本国際交流センターで「リーバイ・ストラウス・コミュニティ活動推進基金」の運営に携わり、ソーシャル・ジャスティスをテーマとしたNPO助成事業を担当してきた。ソーシャル・ジャスティスとは、直訳すると「社会的公正」であり、社会的に不公正な立場に置かれた人々や社会の“周縁部”においやられて正規の社会参画を果たしていない人々などをエンパワーする、というような意味である。DV、路上生活、薬物依存、シングルマザーなど様々な課題があるなかで、最も件数が多いのが、移民・難民・在日外国人支援に関わるNPOからの申請である。

外国人支援NPOの実像

 全国規模の組織から地域で活動する小規模組織まで大小あわせれば、これらのNPOの数は、全国で数百にのぼると言われる。申請書から読み取れる限定的な範囲ではあるが、成り立ちや活動基盤によりいくつかの類型が見られる。
第1は、キリスト教会を基盤とする組織である。特にカトリック教会は組織的な活動を展開しており、ブラジル人、ペルー人、フィリピン人などカトリック信者の多い地域では、外国語でミサを行い、相談活動が定例化されているなど、教会を基盤としたコミュニティづくりがなされている。
 第2は、労働組合関連の組織、またはもともと労働組合にいた人が設立した組織で、外国人労働者から労働災害や賃金の未払いなどの相談を受けるなかで情報が蓄積され、次第に組織化されていったものである。
 第3は、外国人の診療にあたってきた医師や看護士などが設立した組織である。多言語による定期検診、医療通訳など行政にはできない専門的な活動を展開している。第4は、数は少ないものの、法律専門家の組織である。在留資格や国際結婚人権問題などの法律相談に応じてきた弁護士や行政書士が専門組織を設立している。
 第5は、外国人女性を専門とする組織。人身売買など特にアジア出身の女性の救援活動が組織されていったケースで、最近は、国際結婚の破綻によるドメスティック・バイオレンスへの対応にも専門性を発揮している。第6は、もともと開発途上国への国際協力を主な活動とするNGOの国内活動として発展したものである。途上国出身の在日外国人の急増を目の当たりにし、その国に関する専門知識や言語を活かして、電話相談や支援活動にあっているケースが多い。

外国人自身による組織の台頭

 そして、最近増えているのが、外国人自身がリーダーとなっている組織である。名古屋在住のフィリピン人によるFMC(Filipino Migrants’ Center、2000年設立)、移住女性のエンパワメントを目的とするカラカサン(2002年)、在日ブラジル・ペルー人を対象にHIVエイズの予防とケア活動をするクリアティボス(1999年)、ベトナム難民らによるNGOベトナムin KOBE(2001年)、在日ペルー人が解雇に伴う賠償金を元に設立した「ペルー働く青少年基金」(2002年)などは、ほんの一例にすぎない。
 出身国のシビル・ソサエティの発展度合いを反映してか、フィリピン人の組織がとても活発である。日本人配偶者をもつフィリピン人女性の組織、高齢者層の在日フィリピン人の組織、フィリピン人女性の互助組織、労働問題に取り組む組織など属性別や地域別にいくつものグループがある。
 これまで、日本で移民や在住外国人の問題に関するNPOは、日本人が率いるケースが圧倒的に多く、外国人はボランティアとして関わるか支援の対象でしかなかった。これは他の先進国とはどうも異なるらしい。欧米では、移民自身が直ちに互助組織を立ち上げる。そして、新規移民が移住先を選んだり移住後の新しい生活を開始するときに相談をするのは、圧倒的に同じ出身国からの移民コミュニティである。
 日本では、特に外国人労働者の場合は、来日に人材斡旋業者が絡むことが多いため、移民のネットワークが出身国から連続したものとはなりにくく、互助組織が育ちにくい、と指摘されてきた。徐々にではあるが、こうした外国人組織が増えてきたということは、支援を受ける対象だけではなく、自ら社会の担い手となる外国人が増えてきたということであり、日本の移民コミュニティが成長してきている証だろう。こうした外国人組織が、日本人のNPOと外国人当事者の仲介の役割を果たすことも大きくなってきている。

専門性の向上がカギ

 グローバル化とともに国境のもつ意味が薄くなる今日、日本社会は好むと好まざるとに関わらず、外国人と共存する段階を迎えている。ことばや習慣、外見が異なる多様な人々が社会の構成員であることを前提とした社会をつくっていかねばならない。その牽引力として、NPOの力は過小評価されてはならない。こうしたNPOに資金助成する立場の助成機関や地域の国際交流協会は、その可能性を引き出し、より専門性の高い事業を展開できるような助成のあり方を模索しなくてはならないだろう。


(日本国際交流センター チーフ・プログラムオフィサー 伊藤聡子)

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3.レポート:「第1回国際交流協力実践者全国会議」が果たした成果 と生み出した課題
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  エネルギーに満ちた二日間

 グラスネット第14号でご紹介した、「第1回国際交流 協力実践者全国会議2003〜グローバル時代の国際交流協会の将来展望」が8月2 3、24日に国際協力事業団東京国際センターで行われた。グローバル化に伴って地 域社会における国際交流・協力活動の必要性が高まっているにも関わらず、その意義 が市民に浸透しきっていないことに対する危機感から始まったこの企画に、当日は1 60名もの熱心で問題意識の高い国際交流協力実践者達が集まった。
 この会議は、NPO/NGO職員と国際交流協会職員で構成される実行委員会の発案で、 国際協力銀行、国際協力事業団、国際交流基金の資金助成と自治体国際化協会の広報 面での協力を得て実施に至った。まさに政府系から民間組織まで国際交流・協力セク ター全体を巻き込んで実現した会議だったと言える。また、それだけ必要とされてい た会議でもあったため、今回人と人との直接の出会いから生みだされた熱気には圧倒 的なものがあり、言葉では伝えることが出来ないほどのエネルギーに満ちた2日間 だった。

壁崩しの作業

 3年計画の1年目であった今回は、会議名のサブタイトルからも分かるように、特に 国際交流協会の国際交流・協力セクターにおける役割や他組織との連携について、問題の 洗い出しと可能性の模索が行われた。そして、その最大の成果として挙げられるのは、 団体間、そして団体内の壁を崩していく大きなきっかけを生み出したという点であろう。 これは、通常の業務で顔を合わせる機会が少ない団体のスタッフ同士が直接出会ったことに よるものが大きいが、同時にプログラム構成(本稿末尾参照)や議題設定によるところも 大きいと思われる。焦点が自治体の外郭団体として設立されている国際交流協会にあてられ たことが、必然的に官と民を巻き込んだ将来展望の模索につながり、先述の「壁崩し作業」 に大きく貢献したようだ。
 今回崩れ始めた「壁」はいくつかあるが、ここでは二つご紹介しよう。まず一つ目は、 国際交流協会やNPO/NGOと政府・行政機関の間にある壁だ。もともと、彼らの間に連携は あるが、そのほとんどが助成金申請など組織間のつながりから始まる実務先行的な関係で ある。しかし今回、個人として出会うことができたため、「○×のあの人と何ができるだろ うか」という発意先行的な関係が各組織のスタッフの間に広がり始めたようだ。実際に、 同じ分科会に参加したNGO代表と政府機関職員の間から、具体的なプロジェクトが始まり つつあるようだ。
 二つ目の壁は、国際交流協会とNPO/NGOの間のものだ。通常、場合によって、この両者の 間には「同業他社」的な一種のライバル同士にもなり得てしまう要素がある。しかし、これ については設立経緯の違いや地域での信頼度等、それぞれの強みや弱みを理解し合い協力し 合えることが再認識された。

崩した壁の先にあるもの

   更なる成果として、今回は「壁」が崩れ始めただけではなく、それが連帯感や各個人 の自信にも発展している。
   政府機関、自治体、国際交流協会、NPO/NGOなど違った組織に属していると、同じ国際 交流・協力セクターという流れにいると分かっていても、別々の地点で活動していると 感じてしまうことがある。しかし、様々な組織の実践者達が一同に介して熱い議論を交わし、 夜にはビール片手のざっくばらんな会話を通じて愚痴も熱い想いも共有したことで、お互い に対する距離感よりも、同じ志を共有する者同士という連帯感の方が強調された のではないだろうか。
 そして、このような意見交換と交流で他者を知ることは、自らの立場の再評価にもつな がった。最後の全体会では、「どのように草の根の現場に関われるのか分からず不安だった 」という自治体職員や、「所属組織の存続について危機感を持っている」という協会職員か ら、自らの組織が果たすべき役割を再確認できて自信が沸いてきたというコメントが聞かれ た。それぞれの立場を最大限に活用して事業に反映させていく前向きな意欲と自信が生まれた ようだ。また、顔が見えて個人ベースの付き合いが増えるということは、親近感がわくだけ ではなく、信頼性や責任感にもつながるので、今後、より効果的で積極的な事業が増えるの ではないだろうか。
 この連帯感が、個別の事業を介した期間限定のパートナーシップに加えて、国際交流・ 協力セクターを共に底上げしていく継続的なパートナーシップにつながっていくのだろうと 感じた。

見えてきた課題

 このように、今回は、実践者同士の出会いと交流の場を提供し、政府・行政組織と国際交流協会や 純民間組織の連携の促進、政府系4機関の連携など、3年計画の1年目として果たされた 成果は大きい。そしてまた同時に、一歩前進した分、地域別の問題や国際交流・協力の社会 的必要性に関する議論など、来年度、再来年度に向けた課題も具体的に見えてきたようだ。
   各参加者が、今回見いだした課題や決意を仕事に反映させていくために必要な努力は、 並大抵なものではないであろう。しかし、その努力は今回焦点があてられた国際交流協会 だけではなく、国際交流・協力セクター全体が、いわば共通の「クライアント」である市民 に理解され評価されるために必要不可欠なのではないだろうか。国際交流協会を含めた 各団体の存在意義は、国際交流・協力セクターそのものの社会的存在意義によるからだ。  この会議で生み出された熱意が自己完結に終わらないよう、今後は、本来の主役である市民 と国際交流・協力の意義を共有できる場を増やし、国際交流・協力セクター自体に対する 信頼性を高めていく必要があると感じた。

(森田慈子)


*報告書について*
報告書発行予定日:2003年12月末
請求方法:A4版の冊子が入る240円切手を貼った返信用封筒を同封の上、下記 へ。
180−0023
武蔵野市境2−14−1 スイング9F
武蔵野国際交流協会気付
国際交流協力実践者全国会議事務局
問い合わせ先:杉澤経子さん (0422−36−4513)

 
第1回国際交流協力実践者全国会議
開催日:2003年8月23日(土)〜24日(日)
会場:国際協力事業団 東京国際センター
主催:国際交流協力実践者全国会議 実行委員会
(委員長:毛受敏浩、委員:阿部一郎、有田典代、杉澤経子、田村太郎、山西優 二)
協力:国際協力銀行、国際協力事業団、国際交流基金、自治体国際化協会
後援:開発教育協会、関西国際交流団体協議会、国際協力NGOセンター

 
日程
8月23日(土)
  • 国際協力セミナー「市民主体の国際協力を考える〜政府機関、NGO との連携と多様なアプローチ」
  • 全体会議I / パネルディスカッション「岐路に立つ地域の国際交流 ・協力活動―国際交流協会の活動と役割を中心にー」
  • 分科会I:
    1)学校との連携「未来を描きながらの地域のニーズに応えら れる協会になるための扉・・・国際理解・開発教育」
    2)NGOや政府機関との連携「地域レベルの国際協力における 国際交流協会の役割」
    3)行政との連携「地域の施策づくりにおける協会の役割」
    4)一般市民へのアプローチ「潜在的なマーケット(無関心 層)を開拓する」
    5)国際交流協会を評価する「国際交流協会生き残りのための 処方箋」
  • スキルアップ実践講座or懇談会:
    A 予算が無くてもここまでできる!―国際交流協会の事業実 践の決め手
    B 地球規模の課題への接近方〜ワークショップの活用
    C 自主ラウンドテーブル/自由懇談
  • 好きなだけフリーディスカッション(自由参加)
8月24日(日)
  • 分科会II :Iの続き/一人一人の実践に向けて 
  • 全体会議II 分科会の報告、会議の総括と今後の方針
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4.日本国際交流センターからのお知らせ
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◆「ポジティブ・ライブス」写真展東京にて開催!
−HIVに感染して生きる人々の日常をとらえた国際写真展プロジェクト−

 (財)日本国際交流センターでは、1997年より米国のリーバイ・ストラウス財団と 共同で、HIV/エイズ予防を含め、日本国内で活動するNPOへの助成プログラム「リー バイ・ストラウス・コミュニティ活動推進基金」を続けております。
 その一環として、この度、HIV/エイズに関する国際写真展「Positive Lives(ポジティブ・ライブ ス)」の日本での開催に協力致しました。
 この写真展は、世界中で活躍する第一線の報道写真家と、HIV感染者、エイズ問題 に取り組む世界各国のNGOや助成財団など、多くの非営利組織と人が国境を越えた パートナーシップを構築し実現したプロジェクトであります。1993年より世界26カ国 で開催され、これまでに200万人以上が訪れており、多方面から高い評価を受けてい ます。10月4日(土)には下記の通りトークショーも開催致します。
 今回の日本での写真展では、15人の写真家による日本を含めた世界17カ国(アフリ カ諸国、東南アジア諸国、中国、インド、アメリカ、英国等)で撮影されたHIVに感 染して生きる人々の日常の姿、彼らを支える人々の姿を撮影した約120点の作品が展 示されます。HIV/エイズ関連の写真展としては日本最大規模となります。10月4日 (土)には下記の通りトークショーも開催致します。
 写真展の詳細はhttp://www.asajp.org/を ご覧下さい。パンフレットもありますので、ご入り用の方は下記のお問い合わせ先ま でご連絡ください。

===========以下転送歓迎============
 HIVに感染して生きる人々の日常をとらえた国際写真展プロジェクト
     「ポジティブ・ライブス」写真展東京にて開催!


写真展概要
■ 日時:2003年9月19日(金)〜10月18日(土)
     10:00〜17:00 (土曜・祝日は開展、日曜日のみ閉展)
■ 場所:UNギャラリー
東京都渋谷区神宮前5-53-70 国連大学ビル(UNハウス)1,2階
■ 入場料: 無料
■ 展示作品:約120点(日本を含む世界17カ国で撮影)
■ 主 催: ポジティブ・ライブス
■ 共催:  UNFPA(国連人口基金)
特定非営利活動法人 AIDS&Society研究会議
■ 後援: 第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議組織委員会
■ 特別協力: リーバイ・ストラウス財団
       (財)日本国際交流センター
       G.I.P.Tokyo

2. トークショー:「撮る人、撮られる人」
■ 日時:10月4日(土)午後2時−3時
■ 場所:UNギャラリー
日本の写真を担当した写真家菊池修氏とモデルの一人である長谷川博史氏によるトー クショーです。

お問い合わせ先:
(財)日本国際交流センター
電話:03-3446-7781
FAX::03-3443-7580
Mail: Levi_fund@jcie.or.jp
担当:伊藤、光前

◆出版物のご案内

Coping with 9-11: Asian Perspectives on Global and Regional Order
-Han Sung-Joo, Editor
-ISBN 4-88907-065-6
-3,150円(本体価格3,000円)

2001年9月11日に起きた同時多発テロ後の世界秩序のあり方について、アジア大平洋 諸国の研究者による考察と各国の取り組みを報告した論文集です。

<本書内容>
Foreword
Introduction
Han Sung-Joo
1 Major-Power Relations in Post 9-11 Asia Pacific
Chin Kin Wah
2 China's Perspectives on the Regional and World Order Since 9-11
Chu Shulong
3 Japan's Response to 9-11
Michishita Narushige
4 Indonesia and 9-11: Reactions and Implications
Rizal Sukma
5 The Impact of Terrorism on ASEAN
Farish A. Noor
6 Implications of 9-11 for the United Nations and East Asia
Lee Shin-wha
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以上3冊の英文刊行物のご注文は下記までお願いいたします。
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■ 極東書店(sales@kyokuto-bk.co.jp、ファクス:03-3265-4656)
■ 日本国際交流センター(books@jcie.or.jp、ファクス:03-3443-7580)
■ 外務省内では中村書店(電話・ファクス:03-3581-3872)
■ 紀伊國屋書店新宿南店
(電話:03-5361-3301、ファクス:03-5361-3300、「洋書希望」とお申し付けくださ い)
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当メールマガジンは、地域レベルで行なわれている国際交流や国際協力活動の動向や 課題に着目して、非営利の民間組織であるJCIEとしての立場で最新の調査研究や新し いプログラムなどについて評価(主観)を交えて紹介することを目的としています。

既存もしくは最近の資料等を参考にして、国際交流・協力に関わる方々に対して、こ のセクターの動向や新しいトレンド、課題についての情報の提供を目指しています。 また将来、国際交流・協力という同じ分野、仕事に関わる仲間として全国レベルのコ ミュニティ作りに寄与することを願っています(購読無料)。

編集責任/チーフ・プログラムオフィサー 毛受 敏浩
レイアウト・編集補佐/プログラム・アシスタント 森田 慈子


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