世界基金の資金は、途上国各国につくられる「国別調整メカニズム」(CCM: Country Coordinating Mechanism)から提出される申請書に基づいて提供されます。申請書は、独立した専門家の審査委員会による審査を経て、世界基金の理事会に諮られ、資金援助が決定されます。理事会には、拠出国だけではなく、途上国の代表やNGO、感染者組織、民間財団、企業の代表なども参加しています。事業の実施にあたっては、各国の保健省や国連機関、NGOなどが資金受け入れの責任をもち、個々のプロジェクトを実施する組織に資金が支払われ事業が行われます。資金管理や事業の実施状況をチェックする監査システムも設けられています。
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出典:The Force for Change: The Global Fund at 30 Months
【理事会】
- 世界基金全体の管理・運営方針の決定、助成案件の決定を行う最高意思決定機関。
- 理事会は以下24名で構成されている。
- 議決権のある理事20名
- 途上国7、先進国8、民間企業1、民間財団1、途上国NGO代表1、先進国NGO代表1、感染者コミュニティの代表1
- 議決権のない理事6名
- 世界銀行、WHO、UNAIDSの代表、スイス代表、世界基金、UNITAID
- 2009年7月現在、理事会議長はエチオピア保健大臣であるテデロス・アドノム氏、副議長はカナダ国際開発庁(CIDA)国際協力局保健教育部長のアーネスト・ルービンソン氏が務める。日本政府は単独議席をもつ理事国で、山本栄二外務省国際協力局参事官が理事を務めている。
【事務局】
- 在ジュネーブ。資金調達、資金供与管理、実務的・法的支援の提供、理事会運営、広報等を行う。
- 事務局の肥大化、官僚主義による審査プロセスの遅れを防ぐため、スタッフの数を最小限に抑える努力がなされている。ジュネーブ以外にはオフィスを置かず、職員数は約470名(2009年6月現在)である。
- 事務局の経費や構成等詳細

- 事務局長は、ミッシェル・カザツキン氏(医師、前フランス政府グローバルエイズ・感染症問題担当大使)が務める。日本人職員も勤務している。初代事務局長はリチャード・フィーチャム博士(2002年-2007年4月)が務めた。
- ミッシェル・カザツキン氏略歴
- 「世界基金で働く」(採用関連情報・職員インタビュー掲載)
【技術審査委員会(TRP)】
- 世界基金に提出された申請書を審査し、理事会に対して支援案件を推薦する独立機関。
- 保健、開発の専門家約30名で構成されている。専門的な観点から各プロジェクトに期待できる効果を判断し、1)承認、2)条件付きで承認、3)再申請を勧告、4)却下に分類し、理事会に推薦する。
【国別調整メカニズム(CCM)】
- 受益国内にある国内委員会で、世界基金に対する各国からの申請は原則としてこのCCMを通して提出される*。CCMでは、申請案件の形成や調整、基金の資金を得た後は事業の実施状況を監督する。
- CCMのメンバー構成は、国によって異なるが、受益国政府関係者、受益国のNGO、感染者組織、政府開発援助機関、国際援助機関、企業など、多様なセクターの参加が強く求められている。
- 申請案件の形成にあたっては、多様なセクターの意見が反映されるよう強く奨励されている。
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* 世界基金は、地域単位のプロジェクトや、政府が機能していない国、紛争、災害、複雑な緊急事態に陥っている国、政府がシビル・ソサエティやNGOを抑圧しているような国においては、条件付きで、CCMを通さず直接世界基金事務局に申請書を提出することを認めている。(申請ガイドラインより)
【資金受入責任機関(PR)】
- 世界基金の資金の受領者として一義的な法的責任を負う組織。供与される資金の適正管理や事業の遂行に責任を負う。その国の複数の実施機関によって事業が行われる場合、世界基金の資金は、PRを通してこれらの実施機関である資金受領機関(Sub Recipient:SR)に支給される。
- PRの具体的な責務は、SRを監督し事業全体の進捗状況を国別調整メカニズム(CCM)に報告することである。また、基金事務局との間で契約を締結し、その中で定められた一定期間に達成すべき成果と事業の進捗状況を照らし合わせた上で、さらなる資金の支払いを世界基金に要請するのもPRの役目である。
- PRとなる組織は、案件ごとにCCMの推薦によって決定される。保健省や国家エイズ委員会など政府機関がPRとなることが多いものの、NGOや宗教組織が担う場合もあり、国ごとに多様である。また、1つの国に複数のPRが置かれ、PRのうちの1つが政府機関、別のPRがNGOといった場合も多い。
【現地監査機関(LFA)】
- 資金受入責任機関(PR)の財務や事業の監査をする組織で、多くの場合、監査法人がLFAの任にあたる。
- PRから提出される定期的な支払要請、事業報告、財務報告を監査し、世界基金に対して、資金の移転やその他の取るべき措置について助言を行う。
【技術評価委員会】
- 世界基金全体の効率性・効果性を評価する独立した委員会。事務局運営や資金提供事業の実績、協力機関とのパートナーシップ、感染症対策における世界基金のインパクトに関する評価を行い、理事会への提言・アドバイスを行っている。
- 委員は実務家、研究機関・学術界の専門家、NGO、政府代表など幅広い関係者から選出されており、日本からは青山温子氏(名古屋大学大学院医学系研究科国際保健医療学教授)が委員を務めている。