日本国際交流センターでは、2003年7月から12月までの期間、東京財団からの委託研究として「国際協力NGO活性化の方策研究」プロジェクトを実施した。2004年2月25日に開催した研究報告会(於 東京財団)では、NGO・NPO関係者の他、外務省、政界関係者、マスコミ等、国際協力に携わる幅広いセクターから50名を越える方々のご出席を得て、研究メンバーの報告をもとに活発な議論が展開された。
1980年代以降、活発な活動を行い始めたNGOは、1990年代の後半には日本の経済状況の悪化の影響を受け、新設NGOは激減するとともに、既存のNGOについても多くの課題を抱えるようになった。
NGOが抱える共通の課題として財政問題と一般市民の認識の低さがある。また他の先進国のようにNGOが国際協力を行う人材を継続的に雇用する場とはなりきれていない。本研究では日本のNGOの実状についてNGO関係者からヒアリングを行い、現状の課題を分析するとともに、日本のNGOが社会的認知の向上と財政基盤の確立するための方法について議論と以下の提言(一部を抜粋)を行った。
(社会的認識の向上)
- 人々のNGOに対する「あやしい」イメージを払拭するため、組織のガバナンスの透明性の高いNGOで構成されているネットワーク組織の正規メンバーの存在をNGO自らがPRし、「うさんくささ」と一線を画するNGOであることを社会的にアピールする。
- 政府によるNGOの広報活動の一環として、NGOの活動に焦点を当てたテレビ番組を作る。
- NGOの地域社会における認知の向上のためには、市民団体、自治体等の地域社会のアクター連携が不可欠であり、その連携の中核となっている国際交流協会の組織基盤を強化する。
- NGOは他の組織と共同して地域が一体となった国際協力活動の推進を行うほか、地域の教育機関と連携して開発教育を実践することで地域でのNGOの認知度の浸透を図る。
(マネジメント能力の改善)
- NGOのマネジメントに営利企業のマネジメントの優れた側面を学習し取り入れる。例えば、NGOの運営に「ガバナンス」と「パーフォーマンス」の二つの視点を重視するとともに、ステークホルダー重視を徹底する。
- NGOのマネジメント能力の向上のために、企業のマネジメント経験者(定年退職者)などの助言を受ける方策を導入する。
(財政基盤の強化)
- 既存の公益信託アジアコミュニティトラストの枠組みを発展させ、免税措置を活用しながら市民から幅広い寄付を集め、NGOに分配するしくみを構築する。
- 中期的には、NGOの組織基盤の強化を図る「NGO活動促進基金(仮称)」を設立する。
- 構造改革特区でNPO特区が作られる例があるが、自らの所得税の1%を自分の好きなNGOに振り向けることができるハンガリーの1%法を日本のNPO・NGO特区に導入する。
| 【プロジェクト・メンバー】 | |
| 石井達郎(いしい・たつお) | SG信託銀行 ディレクター |
| 伊藤道雄(いとう・みちお) | 国際協力NGOセンター 理事 |
| 佐渡友哲(さどとも・てつ) | 日本大学法学部 教授 |
| 本城愼之介(ほんじょう・しんのすけ) | 株式会社音別 代表取締役 |
| 毛受敏浩(めんじゅ・としひろ) | 日本国際交流センター
チーフ・プログラムオフィサー |
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【事務局スタッフ】 | |
| 森田慈子(もりた・しげこ) | 日本国際交流センター プログラム・アシスタント |