2007年4月以降の主要メディア、専門誌に掲載された当センター役職員のインタビュー記事、寄稿、著作を、媒体誌の了解を得て転載または紹介しています。

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2015年
● 「【寄稿】朴裕河教授の起訴に抗議した真意」
朝鮮日報 2015年12月21日 若宮啓文
「帝国の慰安婦」の著者、朴裕河教授が名誉毀損罪で起訴されたことに、日本で米国人らを含む54人が抗議声明を出した。韓国では同様の声明のほか、私たちを批判する声明や意見も出ているが、そこには誤解が多い。声明に参加した一人として真意を説明させていただきたい。 …続きを読む
 
● 「日中韓は文化で『共鳴体』を」[716KB]
毎日新聞 2015年11月12日「発言」 若宮啓文
3年半ぶりに日中韓の首脳会談が再開されたのはよいが、大事なのは地域の平和と繁栄のためこれをしっかり定着させることだ。それには領土の対立先鋭化や靖国参拝問題といった3年余りの苦い教訓を生かすだけでなく、そもそも「日中韓」の意義を確認することが重要だろう。 …続きを読む[716KB]
 
● 「日中韓、「三兄弟」の秘密」
東亜日報 2015年11月12日 「東京小考」 若宮啓文
ソウルに日中韓の三国協力事務局(TCS)があるのを、韓国の皆さんはあまり知らないのではないか。まして日本や中国ではほとんど知られていないが、これは日中韓の三か国が資金と人を出し合って作る公的な協力機関だ。事務局長と2人の次長は2年の任期で3カ国から順番に選ばれる。9月に着任した三代目の局長は中国人だ。 …続きを読む
 
● 「海外の青年と共に働く」[1MB]
読売新聞 2015年10月24日 「18歳の1票 今月のテーマ 少子化」 毛受敏浩

日本人だけでは社会がなりたたない日が迫っている。かつて日本人は、南米などへ移民として渡った。今度は外国から移住者を受け入れてはどうか。 …続きを読む[1MB]

 
● 「日中の衝突を防ぐことこそ韓国の使命」
東亜日報 2015年10月8日 「東京小考」 若宮啓文
今やラグビーは日本のお家芸なのだろうか。つい先日、ラグビーのワールドカップで日本が強豪の南アフリカに歴史的勝利を挙げて世界を驚かせたが、その数日前には日本の国会で歴史的なラグビーが演じられた。

参議院の特別委員会で、与野党の議員が委員長席に殺到して激しく揉み合うなか、与党が安保法案の採決を強行したのだ。委員長が何を発言しているのかも、採決がどう行われたのかも、さっぱりわからなかったが、審判不在の大混乱の中でトライが成立したとみなされた。さらに翌日、本会議での採決を経て、日本は限定的ながらも集団的自衛権を使える国となった。 …続きを読む

 
● 「韓国大統領が中国軍を閲兵するのなら」
東亜日報 2015年9月3日 「東京小考」 若宮啓文
韓国のヒット映画「国際市場」の冒頭シーンは印象的だった。主人公の一家を含む大群衆が、北から攻め寄せる中国軍の恐怖に怯えつつ、海岸を去るアメリカの軍艦に救助を求める。米軍の艦長がついに決断し、船から多くの武器を下して代わりに群衆を乗せる。そんな感動の光景だった。

今日、北京で行われる「抗日戦争勝利70周年」の記念式典に朴槿恵大統領が参加する。習近平主席やロシアのプーチン大統領と並んで、軍事パレードの閲兵式にも加わると聞いて、あの映画のシーンを思い出した。こんな時代が来ようとは、かつて誰が想像できただろうか。 …続きを読む

 
● 「望ましい移民の受け入れ策を探れ」[645KB]
市民活動情報誌「ウォロ」(大阪ボランティア協会)2015年8・9月号「風論×雷論」 毛受敏浩
日本の大きな課題として人口減少が浮上している。しかし、日本のそれは始まったばかり。国立社会保障・人口問題研究所の2012年の報告書によれば、30年代には830万人、40年代には920万人と10年間に1000万人近い大激減となる。

問題は人口減の中身だ。若者は減り続ける一方で、高齢者は増加を続ける。少子化によって毎年、500を超える小中高校が廃校となる状況が続いている。一方、35年には85歳以上の高齢者人口は1000万人に達する。  …続きを読む[645KB]

 
● 「外国人の介護人材 長期的な育成制度構築を」[509KB]
朝日新聞 2015年8月14日 毛受敏浩
民間研究機関「日本創成会議」が6月に発表した今後の介護需要の急増と人材・施設不足の深刻さは、大きな衝撃を引き起こした。東京圏では今後10年で需要が45%急増するなど、圧倒的に受け皿が足りないことが明らかになった。

地方の介護の現場からも「高齢者が爆発的に増えている」「数年で介護パニックが起こる」という声が聞かれる。施設不足に加えて深刻なのは介護人材の不足である。  …続きを読む[509KB]

 
● 「進化するアメリカのアジア安全保障協力とその限界」[258KB]
『東亜』(霞山会)2015年8月号 佐橋 亮
オバマ政権はアジア重視を明確にした外交、軍事政策を展開してきた。オーストラリアや日本とは日米豪協力の枠組みも制度化を進める。アメリカは同盟国ではないインドやベトナムなどとも軍事協力を深めてきた。しかしアジアには依然としてアメリカとの協力に慎重論が多いことも事実だ。(冒頭より) …続きを読む[258KB]
 
● 「洋上で「呉越同舟」を考える」
東亜日報 2015年8月6日 「東京小考」 若宮啓文
私はいま、洋上でこのコラムを書いている。船上では韓国語と日本語が飛び交って、何ともにぎやかなことだが、それもそのはず、乗客は福岡と釜山から乗りこんだ日韓550人ずつの計1100人で、老若男女が航海を楽しんでいる。昨日はロシアのウラジオストックに寄港し、これから北海道の小樽、そして原爆被災地の長崎などを訪れる10日間の旅だ。

この船は日本のピースボート、韓国の環境財団という二つのNGOの共同運航で、その名も「ピース&グリーンボート」という。今年で8回目だが、日韓国交50年、戦後70年という節目を迎え、乗客は過去最多にのぼった。特に韓国からは企業の応援を得て若い学生や子供たちも大勢乗っており、旅を活気づけている。船上企画の講師として日韓双方から多くのゲストも招かれており、実は私もその一人なのだ。 …続きを読む

 
● 「世界遺産の「光と影」を認め合う度量」
東亜日報 2015年7月9日 「東京小考」 若宮啓文
この月曜日、カナダで行われた女子サッカーのワールドカップ決勝戦に日本中の目が釘付けになったが、米国に思わぬ大敗を喫してがっかりさせられた。

だが、その前夜、ドイツから飛び込んだニュースには日本の各地が沸いた。韓国との協議が難航し、延長戦に持ち込まれていたユネスコの会議で「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録が決まったからだ。私もテレビのテロップを見て、思わず「やった」と声を上げた。

いや、私がそれほど世界遺産に思いを寄せていたわけではない。万一、日韓の溝が埋まらぬまま、この登録が見送られたら、両国関係はいよいよどん底に陥り、日本の嫌韓感情は一気に広がりかねない。それが怖かったのだ。 …続きを読む
 
● 「糾弾より妥協こそ政治の芸術」
東亜日報 2015年6月11日 「東京小考」 若宮啓文
韓国の国会は日本を糾弾するために存在しているのだろうか。日本を非難するのは珍しくないとはいえ、国交正常化50周年を翌月に控えた5月12日、激しい糾弾決議が同時に二つも可決されたのには驚いた。

標的の一つは安倍晋三首相が4月末に米国議会で行った演説で、「侵略の歴史や慰安婦問題に反省がない」などが非難の理由だった。もう一つは世界文化遺産の登録が有力になった「明治日本の産業革命遺産」。そこには朝鮮半島出身者たちが強制労働させられた施設が含まれているではないか、という批判だった。 …続きを読む

 
● 「キューバとの和解とオバマ外交の遺産作り」[269KB]
『東亜』(霞山会)2015年5月号 佐橋 亮
四月十一日、オバマ大統領はキューバのカストロ国家評議会議長と歴史的な握手を交わした。残り一年半となったオバマ外交にとって、依然予断を許さないイラン核開発に関する合意、大詰めを迎えるTPP交渉と比べ、キューバとの国交正常化はより成功の見込みの高い遺産(レガシー)作りとなろう。(冒頭より) …続きを読む[269KB]
 
● 「国書の偽造劇が語るもの」
東亜日報 2015年5月14日 「東京小考」 若宮啓文
36年前に日本で生まれたドキュメンタリー映画「江戸時代の朝鮮通信使」が、いま日韓両国で息を吹き返している。釜山に続いてソウルでも上映の動きがあるほか、東京では我が日本国際交流センターが企画。6月中旬には済州島で開かれる国交正常化50周年記念学術大会で日韓の一流学者らが鑑賞を検討中と聞く。

朝鮮通信使とは徳川家康の要請に応じて17世紀初めから実現した朝鮮王朝の大型使節団で、200年の間に12回も日本に送られた。第一級の学者、文化人や芸能人らも大勢参加し、釜山から対馬を経て江戸まで1年近くかけて往復した行列は各地で大歓迎された。豊臣秀吉の侵略によって崩壊した両国の関係を修復したばかりか、多くの文化交流を生んだ意義は計り知れない。 …続きを読む

 
● “ 'Human touch' key to U.S.-Japan ties: Lessons from Tom Foley and other key figures”
The Asahi Shimbun Asia and Japan Watch 2015年4月23日 James Gannon
Prime Minister Shinzo Abe’s visit to the United States symbolizes how far our two nations have come over the past seven decades.

But the tone of some of the talk in Washington and Tokyo about his trip also is a reminder of how much we miss the sense of warmth and the human touch in the bilateral relationship that was exemplified by three giants in the field of U.S.-Japan relations who passed away in the last three years.

These three include one American, one Japanese, and one who was claimed by both countries, and somehow I was lucky enough to count each as a mentor. …続きを読む
 
● “Caregiver trainee program coming up short, but options on table also daunting”
The Japan Times 2015年4月19日 (毛受敏浩へのインタビュー)
“By expanding the traineeship program and creating a new visa status, Japan is essentially opening its gate to immigrants,” Menju said. “If Japan is going to accept immigrants, it needs to create an environment where they can adjust to Japanese society.”

This means ensuring access to language lessons, drafting a law to stipulate their rights and obligations, and making sure that if they settle and marry in Japan, their descendents will also be welcome, Menju said.

“Japanese people need to change their perspective,” he said. “Avoiding public debate on the issue would only cause problems in the future.”(文中より抜粋) …続きを読む
 
● 「鈴木・全斗煥の時代を思いだす」
東亜日報 2015年4月16日 「東京小考」 若宮啓文
かつて日本に鈴木善幸という首相がいた。11年前に他界したが、その夫人が最近亡くなり、自宅に弔問に行ってきた。1980年、大平正芳首相が心臓病で急死し、代わって首相になったのが鈴木氏である。若い政治記者だった私は毎日のように鈴木邸に通い、突然の権力継承ドラマを取材した。それが昨日のように思えて懐かしかった。

そう言えば、こんなことがあった。私がソウルに留学することになり、鈴木首相をあいさつに訪ねた81年9月のこと、首相は開口一番「捕まったりしないように注意しなさい」と言ったのだ。これが送別の辞かとちょっと拍子抜けしたが、その気持ちもわからないではなかった。 …続きを読む

 
● 「日韓は「共通の価値観」を捨てるな」
東亜日報 2015年3月19日 「東京小考」 若宮啓文
私は先週、北京にいた。開会中だった全国人民代表者会議に合わせて対策がとられたせいか、大気汚染がさほどでなかったのは幸いだったが、困ったのは愛用しているGmailが使えないことだった。中国当局による検閲や、中国国内からと思えるハッカー攻撃に悩まされたグーグルが、昨年、中国から撤退したためだ。日中韓の絆を重んじる私ではあるが、中国が日本や韓国とは違った統制社会であることを感じざるをえなかった。

安倍晋三首相はそんな中国をけん制するように、自由や民主主義といった「共通の価値観」による連帯を看板にしてきた。初めて首相になった直後の2006年10月、韓国を訪れて「日韓両国は自由、民主主義、基本的人権、そして法の支配、市場経済という基本的な価値を共有する」と強調したのはその一環だった。

ところが、今年2月に行った国会演説は違った。同じ基本的価値観を共有する国々として「豪州、ASEAN諸国、インド、欧州諸国」を挙げたのに、韓国は「最も重要な隣国」と表現するにとどまったのだ。 …続きを読む

 
● 「移民受け入れをどう進めるべき? 人口減少、外国人比率は世界151位…現状を概観」
「NewSphere」 2015年3月3日 毛受敏浩(執筆部分は下記)
 
● 「アメリカ社会の新しい多様性」[116KB]
『東亜』(霞山会)2015年2月号 佐橋 亮
昨年、全米を震撼させたミズーリ州ファーガソンでの暴動。たしかにアメリカ社会は依然として人種間の融和に向けて課題を抱えていることは事実だ。しかし、ヒスパニックやアジア系市民の増加、黒人所得の伸び、人種間結婚の進展によって、移民国家にも新しい社会の姿が現れつつある。(冒頭より) …続きを読む[116KB]
 
● 「中東の無残と日韓の『平和』」
東亜日報 2015年2月12日 「東京小考」 若宮啓文

多くの人々の願いもむなしく、むごい結末が待っていた。「イスラム国」に捕えられた日本人の人質二人のことだ。あとから殺された後藤健二さんは、戦火の下で苦しむ庶民や子供たちを報道してきたジャーナリスト。せめて彼だけでも救おうと“I am Kenji”の声が世界で上がっていた。

事件が明るみに出たとき、私は11年前のことを思い出した。2004年4月、イラクで日本人3人が「イスラム戦士集団」と名乗るグループに捕えられ、覆面姿の男たちに銃を突き付けられた映像が送られてきたのだ。 …続きを読む

 
● 「夢に見る『日韓共作新聞』の創刊号」
東亜日報 2015年1月15日 「東京小考」 若宮啓文

よく知る韓国の某新聞社の記者から正月にメールをもらって驚いた。「東亜日報が紙面改革のため、若宮さんを政治部長に任命した」という初夢を見たそうな。私は就任の記者会見もしたという。

私に長くこのコラムを書かせてくれている東亜日報だが、彼がなぜ奇想天外な夢を見たのか。想像を巡らせながら、私は16年前のことを思い出していた。 …続きを読む

 
2014年
● 「右傾化にブレーキかけた日本の総選挙」
東亜日報 2014年12月18日 「東京小考」 若宮啓文

14日に行われた日本の総選挙は、日本の右傾化にブレーキをかけた。私がそう書けば、多くの人が驚くかもしれない。選挙では与党が圧勝し、3分の2の議席を確保して安倍晋三首相の政権基盤が固まったではないか。首相の狙い通りであり、首相は憲法改正への意欲も語っている。中国や韓国に対する強気の姿勢に自信をもち、靖国参拝もまたやるかもしれない…と。

だが、私はそうは思わない。安倍政権が基盤を固めたのは間違いないが、首相はむしろ右に向けて突き進みにくくなった。その根拠を挙げる前に、2年前の話から始めよう。 …続きを読む

 
● 「アメリカはどこまで価値観の違う中国を許容するか」[299KB]
『東亜』(霞山会)2014年11月号 佐橋 亮
アメリカ外交は大国間政治の現実を理解しながらも、自由民主主義、人権といった理念を強く信奉し、その志を共にする国家や人々に共鳴することに特徴がある。そして対中関係の重要さを理解しながらも、価値観の違いに悩んできたのが、米中の四十年にほかならない。そして今、自信を深めた中国の前にアメリカの苦悩は深まっている。(冒頭より) …続きを読む[299KB]
 
● 「日中韓の混成ディベートに学ぶ」
東亜日報 2014年11月20日 「東京小考」 若宮啓文

 それは、見たことのない光景だった。

「1965年に日韓基本条約が結ばれたとき、個人補償も含めて最終的な決着が約束されたではないか」

「いや、慰安婦問題などは予想もできなかったこと。国民個人が請求する権利まで消えたわけではない」

日本の戦後補償について、私の目前で激しい議論が展開されていた。今月11日、釜山の東西大学で2つの学生チームが展開したディベートである。

 いや、それだけなら驚くことはないのだが、6人ずつで構成された両チームは、どちらも日中韓の学生2人ずつによる混成グループだったのだ。…続きを読む

 
● 「話題の書『人口激減』著者・毛受敏浩氏が語る「人口激減国家・日本は移民を受け入れるしかない」」
現代ビジネス「磯山友幸『経済ニュースの裏側』」 2014年11月12日
少子高齢化による労働力不足が顕在化し始めた。

とくに日本人があまり働きたがらない建設現場や外食店の深夜勤務などは深刻な人手不足に直面している。安倍晋三首相は「いわゆる移民政策はとらない」とする一方で、外国人技能実習制度の拡充や、国家戦略特区での外国人労働者の受け入れ拡大などに踏み出そうとしている。

日本は移民にどう向かい合うべきなのか。

『人口激減――移民は日本に必要である』(新潮新書)の著者である毛受(めんじゅ)敏浩氏に聞いた。…続きを読む
 
● 「シリーズ 日本で暮らす外国人」 出演者(毛受敏浩)へのインタビュー
NHK福祉ポータル ハートネット 「ハートなブログ」 2014年11月4日、5日
 
● 「名誉毀損の起訴で毀損される名誉」
東亜日報 2014年10月23日 「東京小考」 若宮啓文
拝啓 朴槿恵大統領

 セウォル号事件の後始末もなかなか進まぬ中で、次々に起きる大型事故。内外に山積する難題。大統領として心休まる日のないこと、お察し申し上げます。

 さて、突然お便りを差し上げたのは、そんな日々の中、大統領が心の余裕を失っておられるのではないかと心配になったからです。外でもありません。産経新聞ソウル支局長が名誉毀損罪で起訴されたことです。 …続きを読む

 
● 「日韓の修復は『おまつり』から」
東亜日報 2014年9月25日 「東京小考」 若宮啓文
8月のある日、「嫌韓」報道に熱心な日本の週刊誌から電話があった。「若宮さんは、体を張って自衛隊から独島を守ると言ったそうですね」

 何かと思えば、7月にソウルで行われたシンポジウムでのこと。聴衆の一人から「日本は独島を奪うため、いずれ自衛隊を出動させるのではないか」と私に質問が飛んだので、こう答えた。

 「そんなことはあり得ません。日本人のだれも、竹島のために戦争するなんて馬鹿げたことは考えていない。万一、自衛隊が出動するなんてことがあれば、みな反対するでしょう。私は体を張ってでも止めますよ」

 最後の一言に笑いと拍手がわいたが、誤解した人もいたのだろうか。発売された週刊誌の記事は私の談話を載せながらも「前朝日主筆、独島を守ると宣言」という見出しがついていたので呆れた。 …続きを読む

 
● 「平和主義と安全保障の交錯」[1MB]
「自由と正義」(日本弁護士連合会)2014 Vol.65 No.9 佐橋 亮
2014年5月の安全保障の法的基盤に関する懇談会による報告書の提出、そして7月1日における閣議決定により、安全保障政策に関わる議論が噴出している。

実のところ、今回の閣議決定に含まれている内容は、冷戦終結後の1990年代からの延長線上に捉えることが可能だ。この二十数年の間に、日本は朝鮮半島核危機への対応の中で冷戦終結後の日米同盟の意義を再確認し、東アジアおよびグローバルな領域での日米協力を深めた。また国連平和維持活動(PKO)や他国の災害救援(自衛隊の参加を含む)のための体制を整え、数々の活動に参加してきた。しかし、国際的なイデオロギー対立が終焉したにもかかわらず、日本を取り巻く安全保障の課題、国際貢献の理念について、政治プロセスの中で議論の収斂がみられず、また国民の間でも議論が深まってこなかった。結果として、自公連立政権が集団的自衛権の限定的容認を含む閣議決定へと政策決定を急ぐ中で、国論は二分されることになった。 …続きを読む[1MB]

 
● 「移民による地域活性化 【『多文化パワー』の発揮を目指して】」[167KB]
「別冊 環(20) なぜ今、移民問題か」 2014年7月30日発行 コラム「III 多文化共生はいかにあるべきか」 毛受敏浩
著しい人口減少が日本国内に暗雲をもたらしている。今後、減少は加速度的に進展していくことが想定されている。二〇一三年の毎年の人口減少は約二五万人であるが、二〇年には約五九万人、三〇年には約八五万人と減少数は大幅に拡大する。 …続きを読む[167KB]
 
● 「村山元首相、90歳の執念」
東亜日報 2014年8月28日 「東京小考」 若宮啓文
満90歳にして、そのスピーチと答弁はしり上がりに熱気を帯びた。先週、ソウルで行われた村山富市・元首相の講演である。村山談話は決して変えてはならない。日韓両首脳の決断で慰安婦問題に決着を。そんなメッセージからは、これだけは何とかしたいという長老の執念が伝わってきた。 …続きを読む
 
● 「批判される『オバマ・ドクトリン』と『普通の国への憧れ』」(PDF)
『東亜』(霞山会)2014年8月号 佐橋 亮
五月末、オバマ大統領は陸軍士官学校にて主要外交演説を行った。アメリカが紛争に介入する条件を示したことから「オバマ・ドクトリン」とみなす向きもあるが、その慎重姿勢に内外の評判は芳しくない。アメリカ外交はどうあるべきか。この根源的な問いをめぐり、百家争鳴が続いている。(冒頭より) …続きを読む(PDF)
 
● 「オーストラリア外交のバランス感覚:米豪同盟と対中関係の調整」[798KB]
『改革者』(政策研究フォーラム)2014年8月号 佐橋 亮
日豪両国の結びつきはかなりのスピード感で強まっている。東アジアの秩序観も日豪は極めて近い。なにより、オーストラリアはアメリカのアジア戦略に不可欠なパートナーとみられている。しかしオーストラリアが中国に対して大きな期待と友好感情を持っていることも事実だ。(冒頭より) …続きを読む[798KB]
 
● 「私も『右翼の代弁者』と呼んで」
東亜日報 2014年7月31日 「東京小考」 若宮啓文
『帝国の慰安婦』を出版した朴裕河・世宗大教授が名誉棄損で訴えられたことは、最近の憂鬱なニュースの一つだ。それにとどまらず、教授の著書『和解のために』にも攻撃を浴びせ、「優秀図書」の指定からはずせという要求が表れた。しかも、「日本の右翼の代弁だ」という理由が新聞に載るに及んでは、私も見過ごすことができない。

というのも、『和解のために』は日本で翻訳出版され、朝日新聞社が2007年に大佛次郎論壇賞を授与したからだ。当時、朝日新聞の論説主幹だった私には選考委員としての責任がある。 …続きを読む

 
● 「(韓国と語る)日韓両首脳は関係改善へ努力を」
朝日新聞デジタル 2014年7月18日 若宮啓文 (駐日大使などを歴任した孔魯明氏へのインタビュー)
――子供のころを植民地で過ごし、解放されたと思ったら朝鮮戦争へ。若いころに激しい歴史をくぐりましたね。

 ええ、中学1年で解放を迎え、中学6年(今なら高校3年)で朝鮮戦争が始まったんです。翌年(1951年)に大学に入り、2年になるとき軍隊に招集された。陸軍中尉までなりましたが、53年4月に最後の激戦があって、僕は予備部隊で後ろにいたから助かったけど、すさまじい交戦でしたよ。休戦のあと陸軍士官学校の教官となり、やがて外交部(外務省にあたる)から幹部の募集があって58年に外交官になりました。…続きを読む [全文は有料または無料会員に登録の上お読み頂けます]

 
● "The political and diplomatic hard-yards still to be done on collective self-defence"
「EAST ASIA FORUM」 2014年7月4日 佐橋 亮
On 1 July, the Japanese cabinet, led by Prime Minister Shinzo Abe, made an historic change to post-war security policy, expanding the scope for interpretation of the Constitution’s Article 9. Japan may now hold the right to collective self-defence ― the use of military force to defend a foreign country that is in a close relationship with Japan when it comes under armed attack. …続きを読む
 
● 「(韓国と語る)市民の交流深め、関係改善を」
朝日新聞デジタル 2014年7月4日 若宮啓文 (環境財団事務総長 李美景氏へのインタビュー)
――環境財団は日本のNGOのピースボートと提携して「ピース&グリーンボート」を運航していますね。東アジアの各地を回って、さまざまな現地企画が組まれています。どんなきっかけでしたか。

 うちの財団の代表の娘さんが大学時代にピースボートに乗ったら、本当によかったというんです。それで、ピースボートと相談を始めた。そんなとき、韓国政府が「光復60周年」(植民地解放60年)の記念事業として、日韓関係を打開する企画を募集したので、応募したら当選したんです。…続きを読む [全文は有料または無料会員に登録の上お読み頂けます]

 
● 「三兄弟、長い葛藤の物語」
東亜日報 2014年7月3日 「東京小考」 若宮啓文
昔昔、ある村に三人の兄弟が隣り合わせて住んでいました。長男は子供のころから漢字をはじめ、多くのことを弟たちに教えました。末っ子は勉強好きな次男にもいろいろと習って育ちました。

でも、体力に恵まれない次男に比べて末っ子は元気よく、ちょっと欲張りだったので、次男に刃向うこともありました。それでもすぐ仲直りしたものです。

そんな兄弟たちを恐怖に陥れたのは、外から肌の色の違う人々が入ってきてからです。…続きを読む
 
● 「『移民』の是非 地域の将来どう描く」[871KB]
愛媛新聞 2014年6月21日 毛受敏浩 (コメント掲載)
(記事冒頭より)人口減少が加速する中、企業での働き手や家庭での介護の担い手が大幅に足りなくなると見込まれている。全国の自治体の半分が、将来消滅する可能性があるというショッキングな試算もある。不足するマンパワーを、日本に定住する外国人で補う「移民」の是非が論議の対象になり始めた。 …続きを読む[871KB]
 
● 「安倍成長戦略のハッタリと利権」[120KB]
『週刊朝日』2014年7月4日増大号 毛受敏浩 (標記特集記事中で移民政策についてコメント)
「一気に年20万人も入れたら大きな摩擦が起きるので、千〜2千人くらいから始めて拡大していくのが現実的です。…続きを読む(記事抜粋)[120KB]
 
● 「(韓国と語る)沈没事故、国家の本質が問われた」
朝日新聞デジタル 2014年6月20日 若宮啓文 (社会学者、ソウル大教授 宋虎根氏へのインタビュー)
――300人以上が犠牲になったセウォル号の沈没事故のとき、ソウルにいた私は数日間、テレビに釘付けでした。6日後の新聞に載った宋教授のコラムは「涙をのみ込もうと歯を食いしばっていた。むなしくて眠れなかった」という書き出しで、悲劇の様子を生々しく表現しましたね。どんな心情でしたか。

 連日、新聞と放送で状況を見ながら、切なくて仕方なかった。半月ぐらいたってから、国民の心情を鎮めて根本的な対策を考えるような方向に報道が変わればいいな、と思うようになりました。…続きを読む [全文は有料または無料会員に登録の上お読み頂けます]

 
● 「(成長戦略を問う)外国人労働者の受け入れは」[971KB]
朝日新聞 2014年6月11日 毛受敏浩
人口が減り続け、2040年には年間100万人が減ると予測されている。地方は衰退し、日本人だけではやっていけない。このままでは介護も地域の農業も支えられない。
外国人受け入れの特区を設けるなど実験的な取り組みを早急に開始すべきだ。…続きを読む[971KB]
 
● 「どうする『外国人労働者受け入れ』」
NHK総合「THE FUTURE 私たちの選択」 2014年6月7日 毛受敏浩出演
【番組内容】人口減少が進む日本で注目される外国人労働者。「外国人技能実習制度」やいわゆる「移民」について専門家の意見や現状を取材、視聴者とも双方向で結び近未来の姿を問う。…番組情報を見る
 
● 「(韓国と語る)新世代が担う社会、日韓関係は明るく」
朝日新聞デジタル 2014年6月6日 若宮啓文 (韓国・東西大学総長 張済国氏へのインタビュー)
――張さんは日韓条約締結の前年に生まれた若い総長ですが、アメリカの大学で修士、日本では働きながら博士号を取得。日米韓にまたがる経歴ですね。

 アメリカ留学は韓国が軍事政権で、当時のソ連や中国とは国交のない時代。反共教育しか受けず、洗脳されてましたから、アメリカの授業での自由な討論には驚いたものです。…続きを読む [全文は有料または無料会員に登録の上お読み頂けます]

 
● 「『朴外交』は舵を切るときだ」
東亜日報 2014年6月5日(木) 「東京小考」 若宮啓文
真夏を思わせるような暑さに見舞われた北京で先月末、「日中韓」のシンポジウムが相次いで行われた。一つは中国現代国際関係研究院と東亜日報、朝日新聞が共催した催し。もう一つは中国社会科学院と東西大学、慶応大学の共催。どちらも三か国の持ち回りで毎年行われているのだが、今年はたまたま一日違いの北京開催となった。 …続きを読む
 
● 「(韓国と語る)Kポップのブーム、予想できていた」
朝日新聞デジタル 2014年5月23日 若宮啓文 (歌手・趙容弼(チョー・ヨンピル)氏へのインタビュー)
――日本での活動をやめて久しい趙容弼さんが、昨年11月に東京でコンサートを開きましたね。15年ぶりでしたが、心境の変化があったのですか。

 韓国で新しいアルバムがヒットしたので、日本からぜひにと要請があったのです。日本での活動をやめると宣言したのに、またやるのはちょっと気まずかったから、国内ツアーの一環と考えました。 …続きを読む [全文は有料または無料会員に登録の上お読み頂けます]

 
● 「米国のアジア戦略 見極めた外交を」[471KB]
神奈川新聞 2014年5月19日 佐橋亮
オバマ米大統領は先月アジアを歴訪した。日本での関心は、尖閣諸島に対する日米安全保障条約の適用をめぐる米大統領の確約と、環太平洋連携協定(TPP)に関わる日米交渉の成果に集中していたようにみえる。やむを得ないところはあるが、歴訪の真価を図るには少し視野を広げて考える必要がある。 …続きを読む[471KB]
 
● 「(韓国と語る)日中韓は争わず『じゃんけん』の関係を」
朝日新聞デジタル 2014年5月9日 若宮啓文 (元文化相 李御寧氏へのインタビュー)
――李さんの著書「『縮み』志向の日本人」に驚かされたのは30年以上も前のこと。和歌や俳句から盆栽、扇子、折り詰め弁当、トランジスタまで、一寸法師のようにものごとを縮小して開花させるのが日本文化の特性だという論理はとても新鮮でした。

 はい。ところが、あのころの日本は米国の不動産を買いあさるなど、おごる日本、拡張する日本となり、歴史的に見ると日本らしくない時代に向かってしまった。自制力もビジョンもなくしていた。 …続きを読む [全文は有料または無料会員に登録の上お読み頂けます]

 
● 「韓国よ、がんばれ!」
東亜日報 2014年5月8日(木) 「東京小考」 若宮啓文
何といういたましい事故、いや事件だろう。あってはならないことだった。観光船セウォル号の沈没である。

あの日、私はソウルで事故を知り、いたたまれない思いでテレビにくぎ付けになった。数日後に東京へ帰ったが、以来この事件が日本で報じられない日はない。韓国に縁の深い隣人の一人として、私もまたつらい日々である。…続きを読む

 
● 「ミシェル・オバマは中国で何を語ったのか」[247KB]
『東亜』No.563 2014年5月 佐橋亮
ミシェル・オバマは、アメリカのファーストレディとして十九年ぶりとなる中国訪問を果たした。北京の国連世界女性会議において女性の権利と人権は不可分だと訴えたヒラリー・クリントンは、とかく注目を集めた。他方でミシェルは、文化外交の枠から踏み出さずに、しかし自らの個人史と信念を語る形で、人権問題の解決、オープンなインターネットの重要性を訴えることになる。(冒頭より) …続きを読む[247KB]
 
● 「(韓国と語る)国交正常化50年の積み重ね壊さぬように」
朝日新聞デジタル 2014年4月26日 若宮啓文 (安重根研究家・崔書勉氏へのインタビュー)
――1909年に伊藤博文を殺害した安重根(アンジュングン)は、韓国では英雄的な義士とされています。その記念館が今年1月、伊藤の殺されたハルビン駅(中国黒竜江省)にできて波紋を投げました。崔さんはさっそく見てきたとか。 …続きを読む [全文は有料または無料会員に登録の上お読み頂けます]
 
● 「(韓国と語る)日韓は競いつつ、アジアのレベル向上を」
朝日新聞デジタル 2014年4月11日 若宮啓文 (サッカー韓国代表チーム洪明甫監督へのインタビュー)
まさか、こんなことになるなんて……と、多くの人が感じているのではないか。2002年にサッカーのワールドカップ(W杯)を共催し、空前の韓流ブームも起きたのに、いまの日韓は一体どうなってしまったのか…。 …続きを読む [全文は有料または無料会員に登録の上お読み頂けます]
 
● 「やはり戦争が嫌いな日本人」
東亜日報 2014年4月10日 「東京小考」 若宮啓文
今月7日、朝日新聞に載った世論調査の数字を見て、一瞬、わが目を疑った。東亜日報が翌日グラフ入りで大きく紹介したように、日韓の国民の多くがいがみ合い、日中の国民感情はもっと険悪だという事実が示されたからだろうか。いや、そうではない。昨今の状況からすれば、これは予想されたことで、憂慮すべきではあるが、驚くことではない。

では、何に目を見張ったのか。それは、安倍晋三首相が意欲をみなぎらせる憲法9条の改正について「ノー」という日本人が去年より7ポイントも増えて64%に達し、賛成の29%を大きく上回った。という事実である。 …続きを読む

 
● 「社会、経済活性化させる」[2MB]
熊本日日新聞 2014年3月31日「争論『移民の受け入れは』」 毛受敏浩
「人口の減少が加速度的に進み年齢構成もいびつになる。少子化で毎年400以上の公立学校が廃校している。2035年には85歳以上は1千万人を超える。日本人だけで社会を維持するのは不可能だ。好むと好まざるとにかかわらず、移民を受け入れないといけない」 …続きを読む[2MB]
 
● 「人手不足の解消に『外国人実習生』」
NHK総合「ニュースウォッチ9」 2014年3月26日 毛受敏浩のコメントを紹介
 
● 「天国で嘆く日韓条約の立役者」
東亜日報 2014年3月13日 「東京小考」 若宮啓文
日韓基本条約が結ばれて国交が開かれたのは1965年のこと。14年にわたった難交渉をまとめた立役者は、韓国の李東元外務部長官と、日本の椎名悦三郎外相だった。この二人が天国でぱったり出会い、こんな会話を交わしていた。 …続きを読む
 
● 「定住増やし人口減対応  海外に開かれた国造り」[221KB]
読売新聞 2014年2月25日「論点」 毛受敏浩
2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、政府では外国人技能実習生の受け入れ拡大を検討している。建設現場での人手不足解消を目指して、一時的に外国人労働者で埋めようという案である。だが、日本の急速な人口減少を考えると再考の余地がある。 …続きを読む[221KB]

 
● 「ソチで見せたプーチンの感慨」
東亜日報 2014年2月13日 「東京小考」 若宮啓文
ソチでの冬季オリンピックが盛り上がってきたが、開会式をめぐる首脳外交もそれなりに見ものだった。主役はもちろん開催国ロシアのプーチン大統領だ。

欧米の主要国や韓国は首脳の出席を見送ったが、中国の習近平主席や日本の安倍晋三首相ら、多くの国の首脳たちが貴賓席をうずめた。 …続きを読む

 
● 「アメリカ外交はどこに向かうのか」[285KB]
『東亜』No.560 2014年2月 佐橋亮
二〇一三年に二期目を迎えたオバマ政権。医療保険改革を巡り連邦議会は決裂、十七年ぶりに政府は一部機能を停止、化学兵器の使用が疑われたシリアにも世論の強い反対の前に介入を断念した。さらにアジア政策では中国への関与重視が目立った。財政の窮乏、テロとの戦いへの厭戦気分の前に内向きになるアメリカは、どこに向かうのか。(冒頭より) …続きを読む[285KB]
 
● 「アメリカの大戦略を解析する」
『外交』Vol.23 2014年1月 佐橋亮
レインが予見するほどの急展開はなくとも、徐々に変質しかねない米国のアジア戦略を前に、われわれは道化を演じてはならない。日米同盟を強化しつつも、日本は自らの備えを高め、ユーラシア域内の主要なパワーとの関係構築に注力していくべきだ。それこそがレインから日本への警鐘である。(冒頭より) …『外交』Vol.23 発刊情報
 
● 「交流を深め尊敬得られるような支援を」[832KB]
『国際開発ジャーナル』No.686 2014年1月 「IDJ Debate 『ODAは国益色を強めるべきか?』 」 毛受敏浩
政府開発援助(ODA)は税金を使って進められている以上、日本政府の意向が反映されるのは当然だ。国益を求める姿勢も理解できる。しかし、その国益が、狭い意味で使われると問題だ。現在は、ともすれば、短視眼的で目先の費用対効果ばかりを追い求める姿勢に傾きすぎているように感じる。…続きを読む[832KB]
 
● 「首都で『ストップ・ザ・アベ』となるか」
東亜日報 2014年1月16日 「東京小考」 若宮啓文
昨年末に安倍晋三首相が靖国神社に参拝して以来、私は憂鬱である。今年こそはと期待をかけた日韓や日中関係の打開も、これでは遠のくばかりだ。米国まですぐに「失望」を表明したが、内外の批判を承知で自分の美学にこだわった安倍首相には私も失望を禁じえない。

というわけで、今日は靖国を論じるべきかと気が重かったが、考えが変わった。不祥事による前知事の辞任に伴って今月23日に告示される東京都の知事選挙が、にわかに面白くなってきたからだ。細川護煕・元首相が立候補を表明したからにほかならない。…続きを読む

 
2013年
● 日経・CSISバーチャル・シンクタンク提言「アジアの世紀と日米の絆」
日本経済新聞 2013年12月23日 朝刊1面、23面
当センター リサーチ・フェローの佐橋亮(神奈川大学准教授)が取りまとめた日米関係についての政策提言が、日本経済新聞12月23日 朝刊1面「日米戦略対話、NSC中核に サイバー司令部新設を」、23面「対中、日米調整緊密に 人的ネットワークを再構築 」として掲載されました。 …提言本文を読む
 
● 「日韓打開は、こうしてやれる」
東亜日報 2013年12月19日 「東京小考」 若宮啓文
クリスマスプレゼントでもあるまいし、いつも12月になると北朝鮮からのニュースに驚かされる。2年前は金正日総書記の死亡と金正恩氏への権力継承だった。去年は長距離弾道ミサイルの発射成功。そして今年は張成沢氏の処刑に唖然とするしかない。この先、この国はどっちへ向いて走るのか。我々は息をこらして見なければなるまい。

 ところが、である。そんな恐怖を一番身近に共有し、密接に連携していくべき韓国と日本が、首脳会談も開けぬまま、ついに年を越しそうである。安倍政権の誕生、そして朴槿恵大統領の当選からちょうど1年が過ぎたのに、何とも異常なことではないか。 …続きを読む

 
● "Japan-US Security Consultative Committee at Tokyo From 'Quiet Transformation' to 'Noteworthy Institutionalization' of the Alliance"
「AJISS-Commentary」No.189 2013年11月21日 佐橋亮
The US-Japan Security Consultative Committee (SCC), the so-called "2+2" meeting between foreign and defense cabinet-level officials, was convened on October 3rd. It was the first time for both the US Secretaries of State and Defense to participate in this format in Tokyo. In my previous analysis on the joint 2+2 statement from 2011, I argue that a set of twenty-four common security objectives is evidence of a 'quiet transformation of the alliance'. By contrast, the joint statement from this meeting, entitled 'Toward a More Robust Alliance and Greater Shared Responsibilities,' could be seen as a call for 'noteworthy institutionalization' of the alliance. …続きを読む

 
● 「東京で思う“チョー・ヨンピル”の意義」
東亜日報 2013年11月21日 「東京小考」 若宮啓文
「こんばんは。お久しぶりですね」と、チョー・ヨンピルがやわらかな日本語で語り掛けた。今年大ヒットした“Hello”や“Bounce”の日本語版の披露を兼ねて、15年ぶりに東京で開いた今月7日のコンサート。久しく彼を待っていたファンの渦の中に私もいた。

 私が初めて彼の歌を聴いたのは1981年のことだ。速いテンポのポップス調に哀愁を交えた“赤とんぼ”。切ない思いを美しく歌い上げた“窓の外の女”。その歌唱力と斬新さに魅了された日本人は私だけではなかった。翌年、日本の文化放送が東京で開いたアジア・ミュージックフォーラムに招かれた彼は、やがて“想い出迷子”のような日本製のヒット曲を生むことになる。…続きを読む

 
● 「『鹿の角』で体力回復、人の縁に感謝」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年11月7日 「ソウル便り」(14) 若宮啓文
世の中、よいことばかりは続かない。

10月初め、釜山国際映画祭の開幕式に招待してもらい、艶やかな女優さんたちを眺たのはよかったのだが、雨のチョー・ヨンピル・コンサート(ソウル便り13参照)に続いて、これも夜の野外である。しつこかった鼻風邪をこじらせてしまった。

喉の痛みと鼻水に加え、足腰が冷えて、咳と痰も出てきた。これはまずい。そう思って早々にソウルへ戻り、病院に行った。 …続きを読む
 
● 「いま『海辺の聖夫妻』は何を思うか」
東亜日報 2013年10月24日 「東京小考」 若宮啓文
「ソウルで日本語が聞こえただけでもビール瓶が飛ぶような1960年代でした。そんな反日嫌日の時代だった1968年、木浦市民たちは日本の血をもつ婦人の臨終に際して、市民葬をとり行いました。日本の高知に生まれ、娘時代にこの地に来ました。そして南海の海辺で孤児3000人を抱え育てる運命を担った彼女の冥福を、市民みなが手を合わせて祈ったのです」

これは、今月30日にソウル市内で行われる集い(秀林文化財団主催)の趣意書の冒頭部分だ。集いのタイトルは「“海辺の聖女”ユン・ハクチャ生誕101周年に考える韓日」。実は翌日の10月31日がこの聖女の誕生日であり、45回目の命日でもある。 …続きを読む

 
●  「分野を特化した国際交流の深化」[557KB]
『自治体国際化フォーラム』 2013年11月号 毛受敏浩
自治体の国際交流は分野が特定され、専門化されていく傾向がある。それは交流が深まることによる必然的な現象ともいえるが、本論ではその深化について検討をしてみたい。 …続きを読む[557KB]

 
● 「空転する米国政治と日本の立ち位置」
時事通信社会員制WEBニュースサービス「Janet」2013年10月9日 佐橋亮
米国における政治の機能不全は、ついに17年ぶりの政府機関の一部閉鎖という事態を引き起こすに至った。下院で多数派を形成する共和党は、通称オバマケアと呼ばれるオバマ政権の医療保険改革への財政支出を拒否し、予算を「人質」に取る形で徹底抗戦を見せている。

事態収拾を図るため、オバマ大統領はアジア太平洋経済協力会議(APEC)や東アジアサミットへの出席、フィリピン訪問など、一連のアジア諸国歴訪をキャンセルした。ねじれきった連邦議会における今後の展開は、軍事予算等にもさまざまな影響が考えられ、内政が外交に深刻な影響を引き起こしつつある。 …続きを読む

 
● 「チョー・ヨンピルよ、希望の灯に」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年10月8日 「ソウル便り」(13) 若宮啓文
「雨が降る中、みなさんどうもありがとう。でも、これは忘れられない思い出になると思いますよ〜。そうでしょう?」

舞台の上でチョー・ヨンピルが語り掛けると、「はーい」という歓声が一斉に上がった。9月28日夜、ソウル近郊の水原ワールドカップ競技場での野外コンサート。優しい雨だったのは、まだしも幸運だったというべきか。座席に置かれたビニールの雨合羽を頭からすっぽりかぶって、2時間半近く、会場を埋め尽くしたファンは彼の歌にしびれ続けた。…続きを読む

 
● 世界が期待 日本の新たな「第3の矢」
日本経済新聞 電子版 2013年10月6日 渋澤健
9月下旬の訪米で、国連総会での演説やハドソン研究所、ニューヨーク証券取引所での講演など多忙なスケジュール をこなした安倍晋三首相。その中には、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏やロックバンド「U2」のボーカル、ボノ氏との会談も含まれていた。

世界的大富豪や音楽界のスーパースターが首相と話した内容はアベノミクスやクールジャパンではなく、日本がグローバルヘルス(国際保健)分野で果たすリーダーシップについてだった。首相が一連の演説・講演で主張した「積極的平和主義」とは「軍事大国への偽装」ではなく、「人間の安全保障」についてのコミットメントだというメッセージに各メディアは注目すべきだ。 …続きを読む [会員登録の後にお読み頂けます(月10件まで無料)]

 
● 「 『金大中・小渕』の宣言を思い出そう」
東亜日報 2013年9月27日 「東京小考」 若宮啓文
「奇跡は、奇跡的には訪れるものではありません」。かつて金大中大統領が日本の国会で残した名台詞だ。韓国の民主化について「韓国民の血と汗によって実現した奇跡であります」と続いた。議場は万雷の拍手。1998年10月8日だったから、間もなく15周年を迎える。 …続きを読む
 
● 「刺激に満ちた欧米記者との出会い」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年9月20日 「ソウル便り」(12) 若宮啓文
ソウルでは西洋人との貴重な出会いもしばしばある。先日、韓国紙中央日報の主催で行われたグローバル・フォーラムもそうだった。

東京に帰っていた私は羽田発の飛行機でソウルに向かったが、機内で一緒になったのが同じ参加者のニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラーさん。新聞ではよく名前を見るが、実際に会うのは初めてで、金浦空港からホテルに向かう車の中でさっそく話がはずんだ。 …続きを読む

 
● 「『サランヘヨ!』 級友たちよ、ありがとう」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年9月4日 「ソウル便り」(11) 若宮啓文
3月に入学したばかりなのに、私はもう卒業してしまった。半年近く毎日通っていた西江大学の韓国語教育院のことだ。

8月20日に行われた卒業式では冷や汗のかきっぱなしだった。まず、卒業生一人ずつに院長から卒業状が渡されたのだが、私の番がくるや、娘のような級友たちが一斉に大きな声を上げたのだ。 …続きを読む

 
● 「『8.15』のすれ違いと接点」
東亜日報 2013年8月22日 「東京小考」 若宮啓文
8月15日の光復節に朴槿恵大統領が演説するのをテレビで見ながら、オヤッと思った。日本に「過去を直視して」と求める一方で、こう語ったからだ。

「私は、大多数の日本国民は、韓日両国が北東アジアの平和と繁栄を共に作っていくことを念願していると信じています。すでに両国民の間では信頼のすそ野は広く、若者や大勢の人が韓流や互いの文化を共有し、近づいています」

その通りだ。ソウルに滞在中の私は、西江大の韓国語教育院を一昨日卒業したが、そこでは若い日本人の女性があふれている。わがクラスからも、私の娘のような日本人が5人巣立って行った。 …続きを読む
 
● 「政治の争い、人々の交流は『別世界』」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年8月9日 「ソウル便り」(10) 若宮啓文

つい先日、韓国の新聞を見ておやっと思った。知り合いの日本人の写真が大きく載っていたからだ。まるでスター並みなので、一瞬、人違いかと思ったが、説明を読めば間違いなく日本大使館の船越公使ではないか。韓国外交部(日本の外務省にあたる)のエレベーターから降りる場面だった。

船越さんはこの日、外交部に呼び出されて抗議を受けた。その対象は前日、日本政府が発表した「竹島に関する世論調査」で、それによれば回答者の60%が「竹島は日本の領土」だと答えたという。…続きを読む

 
● 「楽しきかな、わが下宿ぐらし」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年7月26日 「ソウル便り」(9) 若宮啓文
私のソウル暮らしは早くも4ヶ月半。このごろ政治の世界は与野党激突で騒がしいが、庶民はそれを冷ややかに見ている。というわけで、今日は私の下宿の話を書こう。単身の私は自炊が苦手だし、外食だけでは味気ない。日々の会話相手もほしい。そう思って学生街のシンチョン(新村)で下宿しているのだ。…続きを読む

 
● 「真夏の夜の夢。 安倍さん、『価値観外交』は慰安婦問題から」
東亜日報 2013年7月25日 「東京小考」 若宮啓文
暑さで寝苦しいある晩、夢を見た。朴槿恵大統領と安倍晋三首相がどこかで会っている。ほかに人はおらず、誰が引き合わせたのか分からない。そして、私には二人の会話が聞こえてきた。 …続きを読む
 
● 「日韓に希望見えた 院生たちの知的交流」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年7月5日 「ソウル便り」(8) 若宮啓文
女性らしさを漂わせるデザインのピンクのジャケット、彩かな黄色のジャケット、白地に黒のラインを配して太極旗(韓国国旗)を思わせるジャケット、高級さをかもし出す紫のジャケット……。先ごろ国賓として中国を訪れた朴槿恵(パク・クネ)大統領がカラフルな「ジャケット政治」で中国を魅了したと、韓国のマスコミが報じている。…続きを読む

 
● 「垣間見えたアメリカ対中政策−『関与』と『備え』慎重にバランス」
時事通信社会員制WEBニュースサービス「Janet」2013年7月1日 佐橋亮
6月上旬、米カリフォルニア州の避暑地、サニーランドで行われた米中首脳会談は、米中関係史に一つの転換点として刻まれるかもしれない。

2期目を始めたばかりのオバマ米大統領と、今後10年中国を率いることになる習近平国家主席は、少人数で8時間もの会談を行い、さらに両首脳は通訳のみを入れた、二人きりでの時間も持った。確かに、2002年にもブッシュ大統領は江沢民国家主席とテキサス州クロフォードで会談しているが、ドニロン大統領補佐官(国家安全保障担当)が会談後のブリーフィングで述べている通り、それは離任間近の国家主席との会談だった。9月にロシアのサンクトペテルブルクで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議まで、言ってみれば待ち切れなかったタイミングで、両首脳は会談の場を持ち、広範な課題にわたって意見を交わしたという。 …続きを読む

 
● 「朴大統領、訪中で新時代をつくるのなら」
東亜日報 2013年6月27日 「東京小考」 若宮啓文
朝鮮戦争が始まって63年がすぎた一昨日、私の脳裏には10年ほど前に見た韓国映画が鮮かに浮かんでいた。チャン・ドンゴンとウォン・ビンが熱演した「ブラザーフッド」(原題「太極旗ひるがえる」)である。あの戦争で敵と味方に引き裂かれてしまった兄弟の悲劇。あまりにも哀しい物語に泣けて仕方なかった私は、一方でハリウッド映画顔負けのリアルな戦闘シーンの連続に圧倒された。

この映画で思い出すまでもなく、北朝鮮軍が平壌まで後退するや、突然、参戦して国連軍を現在の境界線まで押し返したのは中国の人民義勇軍だった。毛沢東主席の長男も戦いに加わって命を落としたのは有名な話。中国と北朝鮮が「歯唇の関係」と言われたゆえんである。中国が参戦しなければ、朝鮮半島は統一されていたのではないか。 …続きを読む

 
● 「講演・公園・公演・・・刺激受け若返った」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年6月20日 「ソウル便り」(7) 若宮啓文
講演も公園も公演もハングルになると発音はみな違うのだが、日本語ではなぜかみんな「こうえん」だ。先週はその「こうえん」続きで私の気分が大いに盛り上がった。

まずは、ソウル大学の日本研究所で私が講演した話から始めよう。韓国で盛んな「日本右傾化論」について、当たっている部分と、見当はずれの部分、そして韓国にも責任があることなど、日ごろ思っていることを話したのだ。…続きを読む

 
● 「『拝啓 キム・デジュン先輩』 批判のコラムに返事を書いた」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年6月3日 「ソウル便り」(6) 若宮啓文
韓国には、元大統領とは別のキム・デジュン(金大中)さんがいる。朝鮮日報の元主筆で、いまは顧問のキム・デジュンさんだ。言論界の長老といってよく、いまも同紙によくコラムを書いている。そこで私がやり玉に挙げられた。

4月30日、キムさんは「日本の素顔」という見出しで、日本に痛烈な批判を浴びせた。日本が安倍晋三首相を押し立てて過去の侵略や植民地支配を正当化しようとするのは、けしからんというのだが、その中で私が書いたコラムも標的にされたのだ。…続きを読む

 
●  「原爆コラムと『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』」
東亜日報 2013年5月30日 「東京小考」 若宮啓文

広島や長崎に原爆が落とされたのは日本に対する神の懲罰だったというコラムが韓国の有力紙に載ったのには驚いた。被爆者だけでなく多くの日本人が怒りを買ったのも無理はない。

もし神の懲罰だったのなら、あの原爆で多くの韓国人も犠牲者になったのはなぜなのか。同じ民族が血で血を洗い、原爆以上の死者を出した朝鮮戦争は何の懲罰だったのか。ついそんなことを問いたくなったが、戦争のどこにも神の意思などない。戦争は神の手を離れた人間たちの、もっとも醜い営みであり、原爆はその行き着く末だったのだ。 …続きを読む

 
● 「国際色豊かな我がクラス」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年5月16日 「ソウル便り」(5) 若宮啓文
朴槿恵(パク・クネ)大統領が訪米してオバマ大統領と初の会談。米韓同盟60周年を祝う共同宣言も出したし、議会でも立派に演説したし、めでたしめでたし・・と思っていたら、大統領のスポークスマンがワシントンのホテルでとんでもないセクハラ事件を起こし、晴れの外交に大きな汚点を残してしまった。

そんな話題でにぎわう中、私のソウル暮らしは早くも2ヶ月半。月曜から金曜まで毎日通う西江(ソガン)大学の韓国語教育院は、15日に春学期を終えて半月の休暇に入った。…続きを読む

 
● 「ゴールデンウィークのワシントン」
ハフィントン・ポスト 2013年5月9日 佐橋亮
例年、ゴールデンウィークにアメリカの首都ワシントンは、日本から訪れる閣僚や国会議員であふれかえることで知られる。

私も1週間ほどワシントンに滞在し、前半は過去2年にわたってプロジェクトに参加してくれていた議員を含む、国会議員3名、研究者3名とともに、元政府高官や有識者と意見交換を重ね、また私の恩師である故・山本正(日本国際交流センター理事長)記念セミナーを、フォーリン・アフェアーズ誌の発行で知られる外交問題評議会にて開催した。 …続きを読む

 
●  「アベノミックスとアベノミステイク」
東亜日報 2013年5月2日 「東京小考」 若宮啓文

数日前のこと、東亜日報に“北-日 同時圧迫”という見出しが大きく載ったのを見てドキッとした。見出しはさらに「韓米中トライアングル浮かぶ」と続く。要は米韓中の3国連携によって、北朝鮮だけでなく日本にも圧力をかけよう、という趣旨だった。

日本への批判には慣れているが、果たして日本は北朝鮮と同列に扱われるほど危ない国なのか。幾らなんでもそれはなかろうと感じながら、歴史認識で孤立する安倍政権の現実を見る思いがした。 …続きを読む

 
● 「テレビ出演、韓国語で『靖国』語る」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年5月1日 「ソウル便り」(4) 若宮啓文
朝日新聞のソウル支局は、光化門交差点に面した東亜日報のビルにある。だから、支局を訪ねるたびに顔見知りの記者と顔を合わせることが多いのだが、このごろビルの雰囲気がちょっと違う。エレベーターで芸能人やおしゃれなアナウンサー嬢とよく乗り合わせるのだ。1階にはガラス張りのスタジオもある。東亜日報が出資したケーブルテレビ「チャンネルA」がこのビルに入っているのだ。 …続きを読む
 
● 「安倍政治を語る師弟たち〜カーチス教授と朴母、教授」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年4月16日 「ソウル便り」(3) 若宮啓文
昨年秋、ソウル大学国際大学院の日本研究所長になった朴母、(パク・チョルヒ)教授は、日本でも知られた政治学者だ。私は20年前に知り合ったが、あのころ青年のようだった気鋭の研究者も、いつの間にか50歳。若々しく、冗談ばかり言う性格はちっとも変わりないが、いまは日本研究所を率いて活性化に力を入れている。私を客員研究員に招いてくれたのも、そんな中でのことだった。 …続きを読む
 
● 「第2次オバマ政権のアジア政策=アジア再重点化の変質はあるか」
時事通信社会員制WEBニュースサービス「Janet」2013年4月11日 佐橋亮
米オバマ政権の新たな4年が始まった。連邦議会による詰問も見られたとはいえ、国務長官、財務長官、国防長官といった対外的な「顔」となる閣僚も交代し、これから新たな政府高官の任用が始まる。国務省において、アジア太平洋を担当する国務次官補をはじめ多くの高官が指名すらされていない状況に、ジョン・ケリー新国務長官の無関心さ、またはホワイトハウスとの駆け引きを指摘する声も出ているが、真偽のほどは分からない。4年ごとに繰り返されることではあるが、任用のプロセスが一段落を見せるためには半年前後の時間を要する。 …続きを読む
 
● 「日韓の変化を映す『フォーラム20年』」[2.4MB]
『外交』Vol.18(時事通信社)「特別企画 朝鮮半島の構図」 若宮啓文
未来志向の「民間対話の場」としてスタートした「日韓フォーラム」が20回を数えた。日韓関係の変化とともに歩んできたこれまでの足跡を振り返るとともに、2年後の「国交正常化50年」という節目へ向けて日韓協力の在り方を考える。 …続きを読む[2.4MB]
 
● 「地域活性化 外国人住民の力いかそう」[1.7MB]
朝日新聞 2013年4月6日 「私の視点」 毛受敏浩
少子高齢化と人口減少によって地域社会の将来への懸念が高まるなか、地域の活性化に向けた様々な取り組みが政府やNPOの手で進められている。総務省による「地域の元気創造本部」の新設はその一例だ。ただ、従来の枠組みで見落とされている点がある。日本で暮らす外国人の活用だ。 …続きを読む[1.7MB]
 
●  「日韓は器の大きさを競えぬか」
東亜日報 2013年4月4日 「東京小考」 若宮啓文

日本には「60の手習い」という言葉があるが、 いま31年ぶりにソウルで韓国語を習っている私は、65歳の学生生活である。世界各国から来ている同じクラスの若者たちについていくのは大変だが、むかし習った言葉がよみがえるのはうれしく、新しいことを覚えるのもまた楽しい。

これには少し説明が必要だろう。今年1月、40年以上にわたった新聞記者生活にピリオドを打った私は、韓国の東西大学とソウル大学から相次いで、碩座教授や客員研究員の席をいただいた。大変ありがたいことだが、どうせならすっかりさびついた韓国語をもう一度学びたい。

そんな私の願いがかない、韓国国際交流財団の計らいで西江大学の韓国語教育院に学ぶ機会が与えられたのだ。 …続きを読む

 
● 「エスカレートする北朝鮮の挑発、火花散らす神経戦」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年4月3日 「ソウル便り」(2) 若宮啓文
ソウルに来てから地下鉄によく乗るが、ホームには飲料水の自動販売機に混ざって、同じような形の「救護用品保管箱」があちこちに置かれているのに気がついた。ガラスケースの中に並んでいるのは防毒マスクなのだが、よく見るとマスクには2種類あって、ハングルで「ファジェ」用と「ファセンバン」用と書かれている。

ファジェは火災だとすぐ分かったが、私には「ファセンバン」がピンとこない。説明を読んでみると、ファは化学の化、センは生物の生、バンは放射能の放、つまり化学・生物兵器と放射能に備えた「化生放」用のマスクだった。…続きを読む
 
● 「ベルリン三極委員会総会で感じた世界の変化
   新たな秩序の模索と国際協調主義の重要性」
ダイヤモンド・オンライン 2013年3月22日 「世界を見る眼」第18回 田中均
3月15日より17日までベルリンで開催された三極委員会の第40回総会に出席した。三極委員会は、1973年にデービッド・ロックフェラー氏の提唱により開催が決まったもので、北米、欧州、日本の三地域の有識者が毎年会合し、時々の重要課題について議論し、地域間の理解を深めることを目的としていた。

当時は世界第二の経済大国に台頭してきた日本を、「西側民主主義先進国の仲間」として遇し、冷戦下に求められた西側の結束を強化することが最大の意味であったのだろう。日本が時に「異質」と言われながらも、戦後急速に国際社会の有力な一員となることができたのは、三極委員会などを通して政治家、財界人、学者、官僚OBなどの有識者が、国際的な議論に馴染んでいったことも大きな要因である。…続きを読む

 
● 「朴大統領の就任式、激しい時代の移り変わりに感慨」
朝日新聞AJWフォーラム 2013年3月15日 「ソウル便り」(1) 若宮啓文
とても「碩学(せきがく)」とは言えないのに、韓国・釜山の東西大学から「碩座教授」の称号をいただいた。ソウル大学の日本研究所も「客員研究員」として迎えてくれた。だが、ここでの私の正体は、ソウルにある西江大学の韓国語教育院に毎日学ぶ「留学生」だと言った方がよさそうだ。そんな私のソウル暮らしが3月初旬から始まった。…続きを読む

 
●  「グローバル化をチャンスに−地域の将来ビジョンと自治体の役割−」 [600KB]
彩の国さいたま人づくり広域連合政策情報誌「Think−ing」第14号 2013年2月 毛受敏浩

日本の低迷が続いている。バブル経済の崩壊のあと、日本はあたかも成長が止まったかのような状況が続いている。経済面での停滞は勤労者のポケットを直撃している。 …続きを読む[600KB]

 
●  「お隣さんは外国人 京都の多文化社会の実像に迫る」[146KB]
「京都地域外国人コミュニティ基礎調査」報告書 2013年2月 毛受敏浩

京都市には2011年末現在、41,000人の外国人が暮らしている。日本が世界に誇る国際観光都市である京都を訪れる外国人観光客は年間100万人を数えるが、その一方で、京都市に住む外国人もその人口の3%近くに達している。

京都市民にとっては外国人の存在は身近なものであるはずだが、彼らの京都での暮らしぶりを理解している市民は意外に少ないのではないだろうか。「京都地域外国人コミュニティ基礎調査」は、京都に住む外国人の日々の生活を明らかにするとともに、外国人として一括りにとらえることのできない多様性、さまざまな暮らしぶりを一般の市民に知ってもらうことを目的として実施した。 …続きを読む[146KB]

 
●  「大統領の就任式で考えたこと」
東亜日報 2013年3月7日 「東京小考」 若宮啓文

覚悟していたほどではなかったとはいえ、2月の末、寒空の下で何時間も座り続けるのは決して楽ではない。それでも、何万もの人々が集まって大統領の就任を祝福する光景は、日本では考えられないことだ。

かつて「韓国では大統領が代わるたびに王朝をつくる」という話を聞いたことがあるが、だとすれば、これは新女王の戴冠式みたいなものか。朴クネ大統領の就任式に招かれた私は、そんなことを考えながら、じっと儀式を見守っていた。 …続きを読む

 
● "Security Partnerships in Japan's Asia Strategy - Creating Order, Building Capacity and Sharing Burden"
Asie.Visions 61 (IFRI) February 2013 佐橋亮

During the last decade, Japan has sought partnership with many Asian nations -- the drive remaining strong regardless of ruling parties. Newly elected Prime Minister Shinzo Abe of the Liberal Democratic Party of Japan is to continue this trend under the name of ‘value diplomacy’. …続きを読む

 
●  「民主党外交と政治主導の失敗」
『政策・経営研究』2013年第1号(三菱東京UFJリサーチ&コンサルティング) 佐橋亮

民主党外交は冒頭から、鳩山政権による普天間飛行場移設問題の迷走によって日米関係を揺さぶり、政権担当能力に対する不信を抱えこんだ。さらに、政権基盤の弱さもあって周辺国から日本の領土に対する挑戦が相次ぐが、とりわけ「尖閣」に関する2010年、2012年の対応は危機管理の失敗だった。日中関係は1972年の日中共同声明以来の基盤を失い、今日、極めて脆弱な状態に置かれている。

そもそも外交、防衛政策における革新を期待して、有権者が政権交代を望んだとは言えない。しかし衆院選での地滑り的な勝利を受け、民主党政権は内政・外交の諸課題に対して、政策転換のコストの高さを軽視しても「刷新性」を追い求め、また「政治主導」に固執した。

本稿は同時代史としての制約を十分に理解したうえで、4つの事例研究を通じて民主党外交を検証する。 …続きを読む

 
● アベノミクスに期待する「1本だけの矢」
日本経済新聞 電子版 2013年2月14日 渋澤健
1月下旬、東京・丸の内。高層ビルの会場はアフリカへの熱気にあふれていた。日本政府が5年に1回、アフリカの首脳や閣僚を日本に招くアフリカ開発会議(TICAD=Tokyo International Conference on African Development)が6月1〜3日に開催されるのを前に企画した、日本でアフリカ開発への関心を高める連続講座の初回だ。アルジェリア人質事件の悲劇から間もない時期だけに参加を見合わせる動きも出るのではとやや懸念していたが、心配はまったく無用だった。ほぼ満員状態のなか質問者の活発な挙手で会場は活気にあふれ、アフリカへの関心が衰えているわけではないと実感した。

この講座を主催したのは私が理事長を務める公益財団法人日本国際交流センター(JCIE)と特定非営利活動法人日本医療政策機構(HGPI、理事長・黒川清・政策研究大学院大教授)。これに三菱地所の運営でベンチャー企業のインキュベーションに取り組む日本創生ビレッジ(EGG JAPAN)も加わった。 …続きを読む [会員登録の後にお読み頂けます(月10件まで無料)]

 
● 「平和と姉妹都市交流」PDF[303KB]
『国際文化研修』2013 vol.78 毛受敏浩
2012年は日本と近隣諸国との摩擦が激化した年として記憶されるだろう。これまで日本と中国、韓国とは、国交回復後、数十年をかけて人的、文化的つながりを深めてきた。国力をつけた両国との関係は、経済的連携は言うに及ばず、距離の近さ、文化の近似性もあって、そのつながりは広範囲に及び内容も深いレベルへと発展した。 …続きを読むPDF[303KB]
 
● 「コラム アメリカからの寄付」
日本ファンドレイジング協会編『寄付白書2012』、pp41-43、2013年1月 伊藤聡子・ガイガー敦子
第1章「震災と寄付・ボランティア」の海外からの寄付の概要の一部として、東日本大震災に対するアメリカからの民間寄付動向の調査結果を寄稿。2012年9月11日時点で約6億6575万ドル(約533億円)が、米国の個人や法人から寄付されたと推計される。
2012年
● "Japan as a Champion of Human Security"PDF[70KB]
Global Health Governance Volume VI, Issue 1: Fall 2012 鈴木智子
For over a decade, Japan has been a vocal champion of the human security approach. This brief paper looks back to its genesis and how the human security approach persisted as a pillar of Japan’s foreign policy in spite of recent political turmoil characterized by rapid changes in the leadership at the highest level of the government. …続きを読むPDF[70KB]
 
● "Health and Human Security"PDF[73KB]
Global Health Governance Volume VI, Issue 1: Fall 2012 Susan Hubbard and Keiko Watanabe
The 1994 Human Development Report introduced the idea of human security to the world stage. Since then, several countries.most notably Canada and Japan.have made attempts to integrate the concept into the international policy architecture.1 The Canadian and Japanese approaches to human security diverged significantly in their definitions, scope, implementation, and implications, leading to two separate streams of thinking within the United Nations, as described in an accompanying commentary on human security and the United Nations by Kazuo Tase. …続きを読むPDF[73KB]
 
● 「グローバル・トレンズ2030」にみる世界政治の中長期的見通し
時事通信社会員制WEBニュースサービス「Janet」コラム「米国俯瞰、インテリジェンス」2012年12月28日 佐橋亮
米国家情報長官(DNI)の下部機関にあたる国家情報会議(NIC)から「グローバル・トレンズ2030」という報告書が12月に公開された。4年前にも2025年を見通した報告書が出され、日本でも多くの論者が紹介したことが思い出される。 …続きを読む
 
● 「“移民受け入れ”を仲介 「日本開国」の先導役果たせ」転換期のJICAに役割再考求める」PDF[439KB]
『国際開発ジャーナル』No.673 2012年12月 毛受敏浩
少子高齢化や景気低迷が続く日本が今後活力を取り戻すためには、海外に出ていくだけでなく、外国人の力を借りる必要がある。しかし、日本では、移民受け入れに関する議論に一向に進展がみられない。公益財団法人日本国際交流センター執行理事の毛受敏浩氏は「国際協力機構(JICA)は今こそ、その役割を再考し、移民受け入れをはじめ『日本開国』の先導役を果たすべきだ」と主張する。 …続きを読むPDF[439KB]
 
● 「オバマ再選の背景と今後の展望」
『e-World』(時事通信社)2012年11月21日、『Web新書』(朝日新聞社)2012年12月 佐橋亮
 
● 「求心力欠く国際社会 - 日本は排外的傾向を脱せ」PDF[328KB]
毎日新聞 2012年11月14日 「世界の鼓動」 田中均
この1カ月の間に、ソウル、ニューヨーク、ベルリンを訪れた。そして世界の鼓動の高鳴りを感じた。ソウルでは昨年開設された日本、中国、韓国の3国間協力事務局主催のセミナーに出席した。ニューヨークでは外交問題評議会などで講演する予定であったが、ハリケーン・サンディの直撃を受け、全ての予定がキャンセルとなり、テレビの大統領選挙直前の報道を見て過ごした。ベルリンでは日独の有識者が毎年会する日独フォーラム第21回会合に出席し、メルケル首相にもお目にかかった。…続きを読むPDF[328KB]
 
● 「自治体の国際戦略−交流深化へ長期の人事」PDF[80KB]
読売新聞 群馬県版「郷土再生−国際化の現場から(12)」 2012年9月22日 毛受敏浩
――自治体が国際戦略を考える意義は。
「少子高齢化で地方が衰退するなか、その地域だけを見ていても成長戦略は立てられない。突破口として海外に目を向ける必要がある。地方は地域全体が内向きな場合が多いので、外に目を向ける必要性を自治体として住民に訴える意義は強まっている」…続きを読むPDF[80KB]
 
● 「オバマ政権、ロムニー陣営の対中政策観を読む=アーミテージ・ナイ報告書もひとつの手がかりに」
『e-World』(時事通信社)2012年8月22日、『Web新書』(朝日新聞社)2012年9月 佐橋亮
 
● 「山本正さんのチャレンジ精神」PDF[182KB]
『外交』 Vol.14 2012年7月 武見敬三
山本正さんという人は裏方に徹し、しかも在野の精神に徹した人であった。彼は、日本外交の裏方として政界、官界、財界、学界の指導者をまとめ上げ欧米およびアジア諸国との層の厚い国際交流のネットワークを作り上げた。一民間人の立場から作り上げられたこの国境を越えたネットワークは、山本正という個人の力量によって作り出されたものであり、国どうしの外交であっても、力量ある個人の人間関係がいかに重要かを示している。
私は、参議院議員をしていた12年間に山本さんの誘いを受け多くの2国間の知的対話に参加した。しかし、私が山本さんをより深く知るようになったのは2007年の参議院議員選挙に落選した後のことである。 …続きを読むPDF[182KB]
 
● 「「福島の健康」世界で共有」
読売新聞 2012年6月29日 「列島再生」 第3部「島孤に生きる」[5] 武見敬三シニア・フェローのコメント引用
 
● "Accepting Immigrants: Japan’s Last Opportunity for Economic Revival"
「Asia Pacific Bulletin」No.169 June 27, 2012 毛受敏浩
Japan is very slowly beginning to recover from the enormous economic and infrastructure setbacks caused by the March 11, 2011, earthquake. One reason for the slow pace of recovery is due to Japan's shrinking and aging population, a phenomenon that is gradually and detrimentally affecting Japanese society as a whole.…続きを読む
*バンコク・ポスト紙にも転載されました。
 "Japan's Imperiled Economy" Bangkok Post July 4, 2012
 
● 「アメリカの太平洋重視めぐり論議=パネッタ国防長官のシャングリラ演説を読む」
時事通信社会員制WEBニュースサービス「Janet」 2012年6月22日 佐橋亮
シンガポールの目抜き通りオーチャード通りの喧騒(けんそう)から一歩奥まった場所に位置する最高級ホテル、シャングリラ。毎年6月、多くの首脳・国防大臣は各国の防衛政策を華やかなひな壇で演説し、会場裏で重要な会談を相次ぎ持っている。それが今年11回目を迎えた英国際戦略研究所(IISS)によるアジア安全保障会議、通称シャングリラ・ダイアローグだ。…続きを読む
 
● 「山本正さんが求めたもの 知的国際交流に支援を」PDF[139KB]
毎日新聞 2012年5月9日「世界の鼓動」 田中均
日本国際交流センター(JCIE)理事長の山本正さんが亡くなった。敬愛する先輩、30年来の友人、目的と使命感を共有した同志であった。山本さんの死から1週間も経たずして世界200人の有識者が一堂に会し、日米欧の三極委員会東京総会が開かれた。…続きを読むPDF[139KB]
 
● 「日米関係に必要な特別な努力とは=アジア戦略と交流の重要性」
時事通信社会員制WEBニュースサービス「Janet」 2012年4月19日 佐橋亮
4月15日に日本国際交流センターの山本正理事長が亡くなった。日米関係を陰で支え続けた人物であり、民間外交の草分けとして政財官学界、欧米・アジアと日本を縦横無尽につないだ、戦後日本を代表するファシリテーターといってよいだろう。また「人間の安全保障」の日本における提唱者でもあった。しかし筆者にとって同氏は「山本さん」であり、国際関係の世界への導き手、そして人生の師だった。…続きを読む
 
● 「人口激減の衝撃」
日刊工業新聞 2011年12月より連載 毛受敏浩
  • (12)「開国」は最後の切り札(2012年3月8日)PDF[203KB]

    これまで11回にわたり、人口激減の影響と移民受け入れの必要性について話を進めてきた。私自身の結論は「日本は開国すべき」であり、「開国は成功する」と考えている。どの国もできれば外国人を受け入れたくないというのが本音である。しかし、他の先進国は人口減少、とりわけ生産年齢人口(15-64歳)の減少を放置すれば、国の将来が危ぶまれると考え、移民政策をとっている。 …続きを読むPDF[203KB]

  • (11)地域主導でアジア交流(2012年3月1日)PDF[205KB]

    今回は移民受け入れを含めた「日本開国のシナリオ」を考えてみたい。人口減少に陥った日本の活力を復活させる戦略の柱は、アジアの活力を日本の地域社会に引き込むことである。すなわちアジアとの交流人口の飛躍的な拡大を図るとともに、アジアからの人材を含む定住人口の増加を図っていく必要がある。 …続きを読むPDF[205KB]

  • (10)韓国、移民国家へ(2012年2月23日)PDF[228KB]

    単一民族的な色彩の強い韓国では日本同様、在住外国人は極めて少なかった。ところがこの20年で劇的な変化が起こり、その数は20倍以上に激増した。現在、在住外国人は約140万人と総人口の3%近くに伸び、将来的には8%程度になると想定されている。韓国で外国人が急増したのは二つ理由がある。 …続きを読むPDF[228KB]

  • (9)成長戦略、規制緩和カギ(2012年2月16日)PDF[157KB]

    失われた20年が経過しても、日本の将来像が描けない最大の理由は成長戦略が見えないことにある。これまで日本経済を引っ張ってきた工業製品は、韓国や中国の追い上げにあって陳腐化しつつある。さらに円高の影響で企業は海外移転を進め、日本経済を支える柱が見えてこない。一方、日本国内には1400兆円に上る個人資産があるといわれながらも、内需の掘り起こしは進まずデフレが続いている。
    成長戦略のカギは多くの識者が指摘するように「規制緩和」にある。 …続きを読むPDF[157KB]

  • (8)「多文化パワー」不可欠(2012年2月9日)PDF[233KB]

    近著の『人口激減―移民は日本に必要である』で強調していることに、「多文化パワー」がある。多文化パワーとは、移民してきた外国人の潜在力を引き出す環境を作ることで、彼ら自身の活力のみならず周囲の日本人も活性化し地域社会の活力増加につながることを意味する。 …続きを読むPDF[233KB]

  • (7)「新規長期滞在は減少傾向」(2012年2月2日)PDF[139KB]

    今後、急激する日本人人口を補う人材として、期待がかかるのは日本に住む外国人である。2010年末現在現在、在留外国人の総数は213万4000人と総人口の1.7%に相当する。この割合は世界で170位であることは2話で述べたとおりであり潜在的な伸びしろは大きい。
    しかし、現実には逆のことが起こっている。在留外国人は62年以降、一貫して増加を続けてきたが、リーマン・ショックによって09年からは減少が始まった。減少の主要原因は日系ブラジル人が大量に解雇され、その結果、7万人以上が離日したからである。 …続きを読むPDF[139KB]

  • (6)「移民受け入れに拒否反応」(2012年1月26日)PDF[166KB]

    外国人の増加は犯罪増加に結びつくと多くの日本人は考えている。外国人犯罪がメディアで頻繁に登場するのは外国人犯罪について警察が行っているキャンペーンの影響がある。警察庁は1990年の警察白書で初めて「外国人労働者の急増と警察の対応」という特集を組み、それ以降、来日外国人犯罪の増加、凶悪化、地方への拡散、組織化などを積極的に取り上げるようになった。 …続きを読むPDF[166KB]

  • (5)「移民テコに活性化」(2012年1月19日)PDF[222KB]

    日本で報道される欧州の移民についてのニュースは、移民政策の困難を思わせるものがほとんどである。2011年、ノルウェーでは移民に反対する極右青年による銃乱射事件が起こり世界を震撼させた。日本人の移民についてのネガティブなイメージは欧米の移民についての報道に影響されている部分が大きい。
    ところが、欧州の各国はこれまでに数多くの移民や難民を受け入れ、彼らが大きな役割を果たしている事実はあまり報道されない。 …続きを読むPDF[222KB]

  • (4)「移民受け入れの是非」(2012年1月12日)PDF[245KB]

    人口減少が深刻化するとしても、すぐに移民の受け入れを行うべきだと考える人は少ない。日本人の多くは移民の受け入れという「劇薬」を使わずに済ませたいと考えている。しかし、2話でも紹介した通り、先進国の人口増加の4分の3が移住者の増加分であるという事実がある。他の先進国で広く行われていることを考えれば、移民受け入れは劇薬ではなく、しっかりしたビジョンと体制をもって行えば決して恐れることのない政策の一つといえる。 …続きを読むPDF[245KB]

  • (3)「若者の日本離れ増加」(2012年1月5日)PDF[199KB]

    人口減少によって今後、日本がどうなっていくのかをSFチックに描写してみる。「2035年 鎖国編」と題して、その物語を少し紹介しよう。 …続きを読むPDF[199KB]

  • (2)「年少人口減が深刻化」(2011年12月22日)PDF[173KB]

    日本の人口問題は単にこれから減少が続くというだけではない。全年齢層で均等に減るのではなく、極めて特異な増減が行われる。すなわち、高齢者数が急激に増加していく一方で、その増加をはるかに超えて生産年齢人口(15歳以上65歳未満)および年少人口(15歳未満)が減っていく。 …続きを読むPDF[173KB]

  • (1)「加速する超高齢・少子社会」(2011年12月15日)PDF[713KB]

    課題が山積する日本に大きな影を落としているのが人口減少だ。人口減少についての感じ方は住む地域によって大きく異なる。東京に住む人間が人口減少ときいてピンと来ないのは、不景気だといわれながらも、クリスマスシーズンになれば人ごみで溢れ、満員電車も変化が見られないからだ。しかし、地方都市は、かつて栄えた駅前商店街はシャッター通りとなり、若者の姿が消えてしまった状態が全国に広がっている。 …続きを読むPDF[713KB]

2011年
● 「アジアと太平洋の橋渡し」PDF[194KB]
電気新聞2011年12月13日「時評ウェーブ」 田中均
先日インドネシア・バリ島を訪れた。約40年前にジャカルタで勤務していた時、休暇でよく訪れた馴染みの地である。今回は山側にある芸術の町ウブドのリゾートホテルで行われた三極委員会(アジア・北米・欧州)のアジア地域会議への出席である。半舗装のでこぼこ道を通って辿り着いたホテルは別世界であった。…続きを読むPDF[194KB]
 
● 「JETプログラム25周年記念シンポジウム」記念講演
外務省、総務省、文部科学省、(財)自治体国際化協会の共催による標記シンポジウムにおける記念講演  ジェームズ・ギャノン米国法人日本国際交流センター事務局長 2011年9月8日 於 国際連合大学「ウ・タント会議場」)
 
● 「国を超えたきずな―岩手県大槌町への米国姉妹都市による寄付活動―」PDF[607KB]
『日本NPO学会』No. 48 2011年6月 毛受敏浩
東日本大震災を契機として日本中で寄付の大きなうねりが起こっている。未曾有の震災を目の当たりにして全国の人々の心は多感になり、その熱した感情のマグマが各地の寄付やボランティアの盛り上がりとなり、折れそうになった被災者の心を勇気づけている。
東日本大震災への支援は国内ばかりではない。史上空前の支援、寄付活動が世界中で巻き起こっている。…続きを読むPDF[607KB]
 
● After the Earthquake: Reinvigorating US-Japan Policy Dialogue (「震災の後:日米政策対話の再活性化」)
「Asia Pacific Bulletin」 June 14, 2011 ジェームズ・ギャノン
Shortly before the March 11 earthquake, the Japan Center for International Exchange (JCIE) released a disturbing report chronicling the long-term deterioration of US-Japan policy dialogue and study. Starting from the conviction that a healthy dialogue is needed for a healthy relationship, the report examined the activities of think tanks and other nongovernmental organizations with an impact upon US-Asia policymaking. It concluded that there is a pressing need to reinvigorate the nongovernmental underpinnings of bilateral policy dialogue.

There is a deep sense that 3/11―as the massive disaster has come to be known in Japan―has fundamentally changed almost everything, including the US-Japan relationship. Nonetheless, the forces driving the erosion of policy dialogue have not faded. Rather, they may have gained momentum. This makes it likely that, without farsighted measures to strengthen policy dialogue and study, bilateral relations will lapse back into the stagnation of recent years.
 
● 「日米民間交流の系譜」
『アステイオン』74 2011年4月 山本正
民間交流の重要な特徴の一つは、あるプログラムが新しい交流を生む触媒になることである。そのような観点から振り返ると、一九六八年に発足した「日米議員交流プログラム」は、その前年に開催された第一回下田会議にならび、日米民間交流の系譜にあって重要な基点をなしていることは間違いないであろう。その効果もまた、すこぶる大きかったのではないかと思われる。 (本文中より抜粋)
 
● 「市民社会活動と政治」PDF[9.9MB]
『ボランタリズム研究』Vol.1 2011年3月 勝又英子
われわれ日本人は、国の理想、自分たちが求める国のあり方というものを、その精神の根底にもっているだろうか?社会が多様化するなかで、一人一人の価値観も多様化している。市民社会の活動は、そうした個人の価値観を共有できる人が集まり、その価値観を生活に反映させるため、より大きな集まり、声に変え、社会を変革していくことが、その目的といえよう。…続きを読むPDF[9.9KB]
2010年
● 「ユニークな「世界基金」と日本エイズ・結核・マラリア対策への連帯」PDF[321KB]
『国際開発ジャーナル』2010年12月号山本正インタビュー
人間の生存と安全を脅かす三大感染症に対処するため2002年に設立された「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)」。各国の政府拠出や民間財団の寄附など官民が共同で拠出する同基金は、政府、国連機関、NGO、学界、企業などの協力のもとで、感染症の予防、治療、および感染者の支援に必要な資金を調達し提供している。…続きを読むPDF[321KB]
 
● 「発信力強化、官民投資を」(特集「ニッポンこの20年:長期停滞から何を学ぶか−消えるグローバル人材」)
日本経済新聞 2010年11月28日 山本正インタビュー
 ――国際的な会議やセミナーなどで日本の存在感が薄れているし、影響力のある外国人が日本に来ることも少なくなった。

 「国際会議に参加する日本人が少ない、目立たない、声があまり聞こえない。その大きな理由は、発言したいという意志と自らが語る内容を明確に持っていないからだ。会議に出席しながら黙っているのも、何のために何を話すかの目的が明確でないからだろう。国際的な場で発言するためのロジックと言語能力が欠け…(続きは、フルインタビュー電子版へ)(無料会員登録が必要です)
 
● “The JET Program is a "triumph of soft power"”
 (JET プログラムは”ソフトパワーの成功”)
朝日新聞英語版 2010年11月5日 24面 ジェームズ・ギャノン 他
当センター米国法人の事務局長であるジェームズ・ギャノンなど、かつてJETプログラムで来日した経験をもつ3名による寄稿。

23年前に始まったJETプログラムが現在、事業仕分けの対象となっているが、民間外交プログラムとして貴重な役割を担っていることを忘れてはならない。このプログラムのOB・OGは、米国だけでもすでに25000名を超え、議会や政府、産業界、学界、民間セクターで重要な地位を占めるようになってきた。JETを通じて培った日本とのネットワークと日米関係の重要性に対する意識は、彼らの日々の活動に大きく反映されており、日米関係を支える重要な柱となっていると言って過言ではない。JETプログラムはまさに、ソフトパワーとして大成功したプログラムであると言ってよいだろう(要約)。
 
● 「日本は無視されてしまう 危機感、問題意識の低下が心配、「本気の交流」まだ間に合う」
日経ビジネスONLINE 2010年5月18日 「日米関係、すきま風の行方」 山本正のインタビュー)
日本は外国とドンパチ(戦争)できない国ですから、とりわけ海外との交流をやる必要があるのではないかと思うのですが、残念ながらそういった予算は、国でも経済界でも減っています。…続きを読む(無料会員登録が必要です)
 
● 「咸臨丸から150年−対米関係に戦略観を」PDF[324KB]
毎日新聞 2010年5月12日 「世界の鼓動」 田中均
5月の初めに世界を一周した。アイルランドで行われた北米、欧州、アジアの有識者が一堂に会する三極委員会総会に出席し、ニューヨーク経由でサンフランシスコに入り、北カリフォルニア日米協会主催の咸臨丸150周年記念シンポジウムで基調講演をした。…続きを読むPDF[324KB]
 
● 「英国に学ぼう−国を開き、アジア支援を」PDF[252KB]
毎日新聞 2010年4月14日 「世界の鼓動」 田中均
先月、日英関係の将来を論じる日英21世紀委員会に出席し、久しぶりにロンドンを歩いた。日本大使館のあるピカデリー通りの重厚な建物群は、大英帝国の栄華を今に留める。新しい建築も盛んで、ハロッズ百貨店のあるナイツブリッジ地区では、ハイドパークに面した大きな住宅プロジェクトが進行中だ。…続きを読むPDF[252KB]
 
● 「1セントが寄付文化を育成する」PDF[942KB]
『公益法人』2010年4月号 毛受敏浩
2007年12月、ニューヨークのロックフェラーセンター前には異様な光景が広がっていた。人々が目にしたのは広場一面に敷き詰められた膨大な1セントコイン(1円にほぼ相当)。トラック数十台分の大量のコインである。…続きを読むPDF[942KB]
 
● 「岐路に立つ姉妹都市交流―グローバルな視点からの将来展望―」PDF[1.6MB]
『自治体国際化フォーラム』2010年3月号 毛受敏浩
日本で最初の姉妹都市となった長崎市と米国セントポールの姉妹都市定型は今年で五五年目を迎える。五〇年代に開始された姉妹都市は米国との提携がほとんどだがそれらは半世紀を越えて交流が続いている。二〇世紀の半ばに始まった姉妹都市提携は二一世紀が深まる中でどのような進化を遂げていくのだろうか。…続きを読むPDF[1.6MB]
 
● ACCJ 2009年パーソン・オブ・ザ・イヤー 受賞
当センター前理事長山本正が、在日米国商工会議所(ACCJ)2009年パーソン・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。ACCJパーソン・オブ・ザ・イヤーは、その年に日米経済関係の発展に最も貢献した人を表彰するもので、今回で14回目を迎えます。山本の40年余におよぶ日米関係強化への貢献を評価いただきました。
  • スピーチ原稿PDF[118KB]
  • The Japan Times に写真掲載 (The Japane Times 2010年2月14日「Times Gallery」)
 
● 「丸の内プロジェクトと外交政策」PDF[114KB]
電気新聞2010年1月21日「時評・ウェーブ」 田中均
昨年末、丸の内を歩いてみた。私が霞が関の外務省に勤務していた5年前頃までは丸の内は無味乾燥なオフィス街という印象しかなかった。 …続きを読むPDF[114KB]
 
● 「日韓併合100年:近くて近い両国関係へ、共通課題の協議糸口に」PDF[120KB]
毎日新聞 2010年1月6日 夕刊「時をよむ」 田中均
日韓併合100年の年を迎えた。日本と韓国は、何時までも近くて遠い国のままなのだろうか。私は、昨年末、ソウルで開かれた日韓の政治家、財界人、有識者が一同に介する日韓フォーラムで、韓国側の反発もありうると思いつつ、あえて次のような発言をした。 …続きを読むPDF[120KB]
 
● 「日本の不在―今こそ必要な人的ネットワーク」PDF[2.2MB]
『外交フォーラム』2010年1月号 山本正
米国の首都ワシントンD.C.が米国の国内政治の観点からも、対外関係の観点からも、重要な役割を果たしていることはよく知られている。世界の超大国の中枢を担うホワイトハウス、国際政治を取り仕切る国務省、五角形(ペンタゴン)のユニークな建物からもその世界的影響力が感じられる国防総省、その他多くの政府機関が町の中に散在する。 …続きを読むPDF[2.2MB]
2009年
● 『「草の根技術協力」はNGOをどう変えたか』PDF[2.3MB]
『国際開発ジャーナル』2009年12月号 毛受敏浩
「草の根技術協力事業」(草の根技協)は、JICAとNGOの関係の中で最も重要な連携事業の一つである。活動事例はJICAのHP上で紹介されているが、日本のNGOの多様性と活動の実例を知る上で、最も活用しやすい情報源といえる。 …続きを読むPDF[2.3MB]
 
● Special Report: Obama's Visit to Japan (オバマ米大統領訪日にあたり)
(MacArthur Foundation Asia Security Initiative blog 2009年11月11日  山本正)
When the Nobel Prize Committee announced it would award this year’s Peace Prize to President Obama, the Japanese media showed none of the critical reaction of their American counterparts. Instead, they applauded this and interpreted it as a vote of support for his proposal to create a nuclear-free world, a vision that is heartily embraced in the country that is home to Hiroshima and Nagasaki …続きを読む
 
● 「惜しまれるアーキビスト」 
日本経済新聞2009年10月10日夕刊 芸文余話
故牟田昌平氏(国立公文書館アジア歴史資料センター調整専門官、1982年〜2002 年に日本国際交流センター勤務)の逝去を悼む記事が掲載されました。当セン ター在勤時代に手がけた調査『アジア歴史資料の現状と所在・「歴史資料」収集 システムの国際比較』が紹介されています。ご冥福をお祈りいたします。
 
● 「グローバル時代の自治体の国際化戦略への提言」PDF[58KB]
『SRI』No.97,2009年9月号 毛受敏浩
日本では自治体が中心となって第二次世界大戦後、国際交流に積極的に取り組んできた。しかし、近年の自治体の財政難によって国際交流は大きな壁に直面している。また自治体だけではなく、日本全体で内向き志向が強まっている。一方、海外に眼を向けるとアジアを中心に自治体のグローバルな連携が進みつつある。 …続きを読むPDF[58KB]
 
● 「アメリカの民間非営利活動」PDF[513KB]
『月刊フィランソロピー』No.322, 2009年8月号 毛受敏浩
米国に端を発した金融危機は世界を飲み込み、先進国、途上国の区別なく深刻な打撃を与えている。その震源地である米国では経済悪化の影響は人々の暮らしを直撃している。 …続きを読むPDF[513KB]
 
● 「日米の知的交流 − 保健分野で低迷打開」 
読売新聞 2009年6月12日 「論点」 山本正
日米間の知的交流活動が低迷している。その打開策を米国関係者と検討するため、アメリカの米日財団の協力を得て今年3月に、ワシントンを訪問し、そこでこの首都を拠点に活動する米国の主要シンクタンクの動きに大きな変化が起きていることを実感した。 …続きを読む
 
● 田中均シニア・フェローによる新刊

『プロフェッショナルの交渉力』 田中均
(講談社刊 2009年3月)

 

● 「内向き日本、どう変えますか」
朝日新聞2009年3月2日「クロストーク」 山本正・渡辺靖氏対談
 
● 「アントレプレナーシップを発揮するということ」PDF[1.2MB]
『日本NPO学会ニューズレター』2009年3月 Vol.10 No.4 通巻39号 「シリーズ社会起業家(9)」 勝又英子
“社会起業家”活動は日本の市民社会においていまだに新しい概念であり、多くの人が日本における“社会起業家”とはいかなるものか、について論を闘わせている。 …続きを読むPDF[1.2MB]
 
● 田中均シニア・フェローによる新刊

『外交の力』 田中 均 著
(日本経済新聞出版社刊 2009年1月)
【著者あとがき より】
 「国際社会で国力以上の影響力を持てるかどうかは、外交の力による。突きつめてみれば外交も人の営みである。外交に携わる個々の人々がどれだけ使命感を持ち、どれだけ戦略的な思考が出来るのか。
 近年、「官僚バッシング」の激しい嵐の中で外務省も元気がない。無論、官僚的無駄や既得権益にしがみつく官僚の悪習は排していかなければなるまい。しかし、もし、これが事なかれ主義や自己保身に繋がっていくのだとすれば、日本の未来もあまり明るいものとはなるまい。
 この本を書きながら、いろいろな外交の場面を思い起こしながら、あの時、あの修羅場で、自分を支えたものは何であったのか、反芻しながら考えた。それは「国益を守る」という「大義」ではなかったか。どんなに批判を受けようとも、大義について確信があれば乗り越えられる、そう思ってきたのではなかっただろうか。
 私の家族からは「人を動かすのは論理ではない。往々にして感情ですよ」とよく言われる。確かに、人間は嫉妬の感情や、悔しさや、怒りにかり立てられ、そのような感情が人を動かし、政策を動かし、国を動かす場合がないではない。しかし、そのような感情の発露を抑え、合理性を持った政策に戻していける力こそ、プロフェッショナルの力ではないだろうか。」
 
● 「寄付を勝ち取るための戦術と長期戦略」PDF[2.1MB]
『月間フィランソロピー』2009年1月号 毛受敏浩
2008年
● 「開発途上国の感染症対策と企業への期待」PDF[312KB]
社団法人海外事業活動関連協議『STAKEHOLDERS No.72』 2008年度第2号 山本正
近年、国際社会の課題を論じるときに、「人間の安全保障」という概念が一層注目を浴びるようになってきている。…続きを読むPDF[312KB]
 
● 「ポピュリズム脱し本格的外交の始動を:次期首相の使命とは」PDF[392KB]
毎日新聞 2008年9月9日 「時をよむ」  田中均
日本と韓国の政治家や有識者の集まりである「日韓フォーラム」が8月末、東京で開催された。数日後に福田康夫首相が辞任表明するなどとは誰も予想せず、日韓関係の将来について討議が行われた。…続きを読むPDF[392KB]
 
● シンポジウム「CSR時代の社会貢献活動」記念講演
日本経団連、日本NGOセンター、国際協力NGOセンター共催による標記シンポジウムにおける記念講演  山本正 2008年7月31日 於 経団連会館)
 
● 「途上国交流 草の根活動へ知恵と金を」PDF[288KB]
朝日新聞 2008年4月17日 「私の視点」 毛受敏浩
今年はG8サミット、アフリカ開発会議など、日本で大きな国際会議が目白押し だ。しかし、国内での盛り上がりには陰りが見える。…続きを読むPDF[288KB]
 
● 「国際協調に転じる中:日本は主体的行動を−大統領選さなかの米国で」PDF[320KB]
毎日新聞 2008年3月4日夕刊 「時をよむ」 田中均
私が籍を置く日本国際交流センターのプロジェクトで、日米双方あわせて10名ほどの40歳以下の若手学者と共にニューヨーク、ワシントンを訪問し、現地の有識者を交え、今後の日米協力関係をどの様に発展させていくかについて議論を行ってきた。…続きを読むPDF[320KB]
 
● 「社会の構成員としての企業の責任」
社団法人海外事業活動関連協議『STAKEHOLDERS No.70』2007年度第3号 山本正
40年も寄附に頼って活動をしてきた非営利組織の責任者としては、企業寄附の動向は常に気にかかるものである。…続きを読む
 
● "Five Uncertainties About China's Future"(中国の将来に関する5つの不確定要素)
(Japan Times 2008年2月7日 渡邊幸治)
I was in Beijing less than 10 days after Fukuda's trip and was pleased to hear many Chinese laud the speech at Beijing University as "having elucidated to both the Chinese leadership and general population the rationale for and importance of healthy China-Japan relations."…続きを読む
2007年
● 「世界を動かしたロックフェラー」
『ロックフェラー回顧録』刊行に際し、新潮社読書情報誌『波』2007年11月号への寄稿 山本正
『ロックフェラー回顧録』は、今年92歳を迎えたロックフェラー家の当主デイヴィッドと、三代にわたり20世紀の世界を動かしてきたロックフェラー一族からみたもう一つの世界史である。…続きを読む
 
● 「嶌信彦のエネルギッシュトーク」
(TBSラジオ 2007年10月14日-21日 954Hz)
(ジャーナリスト嶌信彦氏による前理事長山本正のインタビュー番組
 
● 「同居する摩擦と交流:同じ夢を見るには−日韓フォーラムに参加して」PDF[319KB]
毎日新聞 2007年9月4日 夕刊「時をよむ」 田中均
韓国釜山で日本と韓国の政治家、財界人、有識者が会し、3日間にわたって日韓 関係を論じる15回目の「日韓フォーラムが開催された。いろいろな国とこのよう な形の会議が行われているが、日韓フォーラムほどお互いが率直に本音をぶつけ 合う機会はない。…続きを読むPDF[319KB]  | 第15回日韓フォーラム
 
● 「米議員の足が遠のいている―『日米』維持には特別な努力」PDF[484KB]
産経新聞 2007年7月23日 「やばいぞ日本:見えない敵(8)」
首脳同士の緊密さなどもあって、一般にはかつてないほど良好と言われる日米関係だが、日米交流に携わる人々の間ではその現状と将来を危ぶむ声が聞かれる。…続きを読むPDF[484KB]
 
● 「『市民外交』の伝道師」
日本経済新聞 2007年5月14日-5月18日 「人間発見」
下田会議、日米議員交流、そして日米欧委員会。戦後日本の国際化を彩る数々の対外交流を陣頭に立って進めてきたのが、日本国際交流センター理事長の山本正さん(71)である。…続きを読む
 
● 「投資家ジョージ・ソロス 〜“国家なき政治家”は訴える〜」
NHK 2007年6月18日 BS特集「未来への提言」
(前理事長 山本正がインタビュアーを務めました)