活動報告

日本国際交流センター(JCIE)では、1998年以来、日本の外交政策の柱である「人間の安全保障」という政策概念の普及と具現化を後押ししてきました。2007年からは特に、人間の安全保障上の大きな課題であるグローバルヘルス(地球規模の健康課題)を主要テーマに取り上げています。

 

従来、安全保障は国家を単位として捉えられてきましたが、1990年代に入り、個人やコミュニティを安全保障の単位とする見方が再評価されるようになりました。1994年に国連開発計画(UNDP)が発表した『人間開発報告書1994年度版』では、初めて人間の安全保障の7分野(経済、食料、保健、環境、個人、コミュニティ、政治)が提示され、その包括性を定義しました。健康は、人間の安全保障を達成する上で必須な要素と言えます。また、人間の安全保障委員会の報告書『安全保障の今日的課題』(2003年)で示されたように、人間の安全保障を達成するためには、主に政府による保護(protection)と、住民・コミュニティによる主体的な取り組みを可能とする能力強化(empowerment)を同時に推進すること、そして課題の根本原因に取り組むことが求められます。健康に影響を与える様々な要因(social determinants of health)に対処し、保護と能力強化を進めるためには、異なる専門性を持つ政府、コミュニティ、そして政府以外のアクター(企業、NGO、国際機関、等)の連携・協力が必要となります。

 

加えて、グローバル化による人の移動の活発化に伴い、感染症の拡大速度は高まり、そのインパクトは地球規模に拡大するようになってきました。保健医療問題は、もはや一政府では対応できず、地球規模の課題、また外交課題として明確に位置づけ、各国が連携・協調して、健康権(right to health)の確立を国際的に推進することが求められるようになってきました。

 

JCIEでは、人間の安全保障の視点に立ち、地球規模課題としての健康問題、即ちグローバルヘルスに対する日本の貢献を一層推進することを目的に、同分野に関わる省庁、多様なセクターの代表の方にご協力いただき、2007年から2009年にかけて「国際保健の課題と日本の貢献」研究・対話プロジェクトを実施し、2009年からはその後継として本プロジェクトを実施しています。グローバルヘルスと人間の安全保障運営委員会の開催に加え、(1)日本の知見に基づく対外戦略策定の後押し、(2)人間の安全保障の視点に立ったグローバルヘルスをめぐる国際対話の推進、(3)国内の多様なセクターのグローバルヘルスへの理解と参画の促進を目的に以下の活動を行っています。

 

日本の知見に基づく対外政策策定の後押し

 

人間の安全保障の視点に立ったグローバル・ヘルスをめぐる国際対話の推進

 

国内の多様なセクターのグローバル・ヘルスへの理解と参画の促進

  • プレス・ツアー「ケニアの今:保健アクセス格差解消への道のりと日本の役割」(2015年6月6-14日)

 

グローバルヘルスと人間の安全保障運営委員会

日本のグローバル・ヘルス分野の政策形成への協力や官民連携の推進を目的とする懇談会。2007年にG7北海道洞爺湖サミットへの政策提言の策定を機会に発足し、武見敬三参議院議員・JCIEシニア・フェローを委員長に、四半期に一度程度開催され、関係省庁、政府機関、学界、民間団体の代表が非公式に意見交換・情報共有を行っています。議題に応じ、海外のグローバル・ヘルス専門家も参加しています。JCIEが事務局を務めています。

 

2017年8月現在  

委員長:武見 敬三 参議院議員、(公財)日本国際交流センターシニア・フェロー                                   
                                                                                                                         (五十音順)
池上 直己  聖路加国際大学公衆衛生大学院特任教授​
石井 澄江  (公財)ジョイセフ代表理事・理事長
和泉 洋人 内閣総理大臣補佐官
大河原 昭夫 (公財)日本国際交流センター理事長 [幹事]
尾身  茂 (独)地域医療機能推進機構理事長、名誉世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長
勝間  靖 早稲田大学大学院アジア太平洋研究科(国際関係学専攻)教授、国立国際医療研究センター・グローバルヘルス政策研究センター国際地域保健研究科長
上出 厚志 アステラス製薬株式会社執行役員医療政策部長
黒川  清 政策研究大学院大学客員教授、日本医療政策機構代表理事
國土 典宏 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター理事長
笹川 陽平 日本財団会長
神馬 征峰 東京大学大学院国際地域保健学教授
鈴木 秀生 外務省地球規模課題審議官
鈴木 康裕 厚生労働省医務技監
スリングスビー BT   グローバルヘルス技術振興基金(GHIT)専務理事・最高経営責任者(CEO)
関 丈太郎 アイテック株式会社代表取締役社長
関 靖直 文部科学省研究振興局長
高須 幸雄 人間の安全保障に関する国連事務総長特別アドバイザー
塚本  力 内閣審議官、内閣官房新型インフルエンザ等対策室長、国際感染症対策調整室長
手代木 功 塩野義製薬株式会社 代表取締役社長
戸田 隆夫 (独)国際協力機構上級審議役
内藤 晴夫 エーザイ株式会社代表執行役CEO、日本製薬工業協会副会長
中谷 比呂樹 慶應義塾大学グローバルリサーチインスティチュート(KGRI)特任教授・上席所員
中村 安秀 甲南女子大学看護リハビリテーション学部特任教授
新村 和哉 国立保健医療科学院院長
長谷川 閑史 武田薬品工業株式会社相談役
道永 麻里 日本医師会常任理事
宮原  隆 財務省国際局審議官
森島 信幸 大塚製薬株式会社代表取締役副社長
薬師寺 泰蔵 (公財)世界平和研究所研究顧問、科学技術振興機構地球規模課題対応国際科学技術協力事業運営統括
 

 

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