活動報告

日本国際交流センター(JCIE)では、国会議員をはじめとするポリシーメーカーに、グローバルヘルスの諸課題についての情報提供や現地視察の機会を提供しています。本年は5月1日-7日にかけて、自民党国際保健医療戦略特命委員会最高顧問である尾辻秀久参議院議員(元厚生労働大臣)を団長とする3名の国会議員に参加いただき、西アフリカのギニア共和国を訪問する視察プログラムを実施しました。

 

ギニア共和国アルファ・コンデ大統領への表敬訪問(左から勝間早大教授、大河原JCIE理事長、小倉衆議院議員、佐藤参議院議員、尾辻参議院議員、コンデ大統領、迫駐ギニア日本大使、カマラ外務大臣、清水JICA アドバイザー)

 

ギニアは、2014~15年にエボラ出血熱危機が起きた西アフリカ3カ国のひとつです。本プログラムでは、コンデ大統領をはじめとするギニア政府や議会の指導者、現地に拠点を置く国際機関、現地の保健医療従事者、エボラから回復した人々などとの懇談を通じて、危機対応状況や今後の対策、平時の保健システムの現状と課題について理解を深め、日本の国際貢献のあり方を検討しました詳細は以下の報告書をご覧ください。

 


ギニア視察報告

報告書全文[892KB]

 

ギニア視察写真アルバム(Flickr)

 

本視察から見えた課題と日本の役割

1.グローバルな健康危機のための備え

ギニアのエボラ対策に際し、日本政府やJICA等を通した日本の協力に対して深甚なる謝意が表明された。今後は、日本の有する医薬品、医療機材の継続的供給の検討、および、感染症流行国あるいはその周辺国での業務経験が豊富で、当該国の言語にも堪能な専門家を優先的に直ちに派遣できる機動的な制度の整備、ならびに、現地保健人材の継続的育成を検討することが重要である。

また、フランス軍がギニアにおける医療従事者用エボラ治療センター設置・運営で活躍した例から、パンデミックに際する日本の自衛隊のヘルスユニットの編成、初期対応に効果的な設備・資材の常備の必要性も確認された。

 

2.感染症危機からの復興期における日本の支援

今回のエボラ出血熱危機は、保健システムが脆弱な国では感染症の流行を効果的に封じ込めることができず、危機的な状況になりやすいという事実を露呈した。流行が終息した後に最も必要なのは、保健システムの再構築である。ギニア保健省は、2015-2024年の今後10年間の国家保健開発計画を策定し、エボラを含むすべての感染症・疾病対策、母子保健、質の高いケアの提供、コミュニティレベルでの保健システム強化、ガバナンスの向上等をその優先順位として掲げ、保健システム強化に取り組んでいる。

 

日本の貢献策としては、エボラのみならず、ギニアで発生頻度の高い感染症予防のためのサーベイランス強化支援、子どもの予防接種や母子保健等、ギニアの人びとの保健医療サービスへのアクセスの向上のための施策、エボラ回復者やエボラ孤児等への経済社会支援、ならびに西アフリカ仏語圏11カ国の域内人材を活用した保健人材育成ネットワークの構築により人材育成ならびに人材活用を促進する、等の可能性が検討できよう。

 

参加者

尾辻 秀久 参議院議員(団長)
佐藤 正久 参議院議員
小倉 將信 衆議院議員
大河原昭夫 (公財)日本国際交流センター理事長
勝間 靖 早稲田大学大学院アジア太平洋研究科(国際関係学専攻)研究科長、
アジア太平洋研究センター所長
清水 利恭 (独)国際協力機構セネガル事務所・セネガル国保健社会活動省保健行政アドバイザー
位田 和美 (公財)日本国際交流センタープログラム・オフィサー
石山 紀行 同 ウェブ/出版デザイナー

 

訪問先/面談者

表敬・懇談

アルファ・コンデ大統領
クロード・コリー・コンディアノ国民議会議長
マカレ・カマラ外務大臣
アブデゥラマン・ディアロ保健大臣
マラド・カバ経済財政大臣
サコバ・ケイタ エボラ対策国内調整官
ユスフ・トラオレ ギニア赤十字社社長
国連カントリーチーム
在ギニア仏国大使館
在ギニア米国大使館
エボラ回復者
在ギニア邦人

視察

ドンカ病院透析センター
ドンカ病院ラボ
イニャス・ディーン病院
ノンゴ地区エボラ治療センター
コナクリ国際空港

 

ギニア大統領表敬後の地元メディアへの記者会見
ノンゴ地区エボラ治療センター視察

 

 

追記(2017年2月24日)

本視察が契機となり、2017年2月14日に「日本・ギニア友好議員連盟」(会長:尾辻秀久参議院議員)が設立されました。

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