活動報告

第25回日独フォーラムが、2016年10月18日から20日の三日間にわたりベルリンで開催されました。日独フォーラムは、1992年の宮沢・コール日独首脳会談により設立が合意され、1993年2月に発足した民間レベルの対話フォーラムで、日本国際交流センター(JCIE)は第1回より運営等の協力をしています。

 

今回のフォーラムは、ドイツ連邦外務省バッガー主席政策担当官主催のレセプションに始まり、2日目の会議は連邦議会議事堂内で、最終日はベルリン日独センターにおいて開催されました。日独フォーラムの日本側座長に今年から就任した小林栄三氏(伊藤忠商事株式会社会長)と、昨年就任したドイツ側座長マティアス・ナス氏(ディ・ツァイト紙外信局長)の両議長の進行により討議が行われました。プログラム、参加者および討議要旨は以下のとおりです。


 

プログラム

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参加者

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討議要旨

第一セッションでは、両国の政治家のプレゼンテーションの後、直近の1年間の日独の政治、経済情勢を中心に議論が行われた。ドイツ側からは、昨年90万人に達した難民の受け入れによるドイツ社会、政治への影響とともに、アフリカ・中近東等ヨーロッパ周辺の難民発生地域への開発援助の必要性が強調された。日本側からは、今夏の参議院選挙についての分析や、自民、民進両党による政治・経済課題への取り組みが紹介され、アベノミクスの成果と課題が話し合われた。

 

第二セッションでは、世界情勢が大きな転換期にあるとして、世界が直面する不安定化がテーマとなった。ドイツの右翼政党の台頭や、北朝鮮により緊迫感を増す東アジアの動向、アメリカ大統領選挙の行方とともに、世界的な兆候ともいうべき反グローバリズム、ポピュリズム、貧富の拡大等における日独両国の協力の必要性について議論が交わされた。

 

19日午後に日独フォーラムメンバーとメルケル首相との会談が予定されていたが、メルケル首相とロシアのプーチン大統領の面談の開催が急きょ決定されたことにより、メルケル首相の挨拶および写真撮影に切り替えられたが、メルケル首相からは日独関係の重要性について発言があった。メルケル首相との会談は短時間で終わったものの、新たにブラウン首相府国務大臣との会談が設けられ、ドイツの直面する政治、外交上の課題についてのブリーフィングと質疑応答が行われた。

 

最終日に行われた第三セッションでは、日独フォーラムとして初めて、デジタルエコノミーがテーマとしてとりあげられた。デジタル革命に対応する企業、組織のあり方が話し合われ、デジタル革命の時代に勝ち抜くための改革に向けての意思決定のあり方や、デジタル化に伴うデータ管理、企業の寡占化への懸念などについて議論が交わされた。また、デジタル革命によるバーチャルへの過信、またバーチャルな情報が招くポピュリズムの過熱化への懸念とともに、デジタル時代にふさわしい教育改革や、教育者の養成の必要性などデジタル化における課題についても活発な討議が行われた。最後に、この分野をリードする米国に対して、日独の協力と連携の必要性と、具体的な協力分野などについても議論が行われた。

 

(追記) 共同座長声明

2017年3月10日、小林座長、城内衆議院議員(自民党)、大河原JCIE理事長、フォン・ヴェアテルン駐日ドイツ大使が参加者を代表して総理官邸を訪れ、小林座長より会議の内容と提言を集約した日独フォーラム 共同座長声明を安倍首相に手交し、会議内容を報告した。

 

 

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