活動報告

 

 

8月28日(水)、第4回グローバルヘルスに関する議員ブリーフィング「母子保健への資金調達でSDGs達成を実現する――グローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)の役割と日本への期待」を開催しました。講師には、元ナイジェリア保健大臣のムハマド・パテ GFFディレクター兼世界銀行保健・栄養・人口グローバルディレクター、瀧澤 郁雄 国際協力機構(JICA)人間開発部次長兼保健第一グループ長を招きました。

 

本事業は、地球規模課題としてのグローバルヘルスに対する日本の貢献を推進することを目的に実施される「グローバルヘルスと人間の安全保障」プログラムの一環として、昨年9月より開始しました。国境を超える感染症の脅威や、保健医療制度、保健財政などについて中堅・若手の国会議員を対象に定期的なブリーフィングを行い、世界の現状や日本の役割について理解を深め、将来的にリーダーシップを発揮していただくための機会を提供するものです。

 

第4回の実施報告は、以下の通りです。

なお、報告書全文と、講師略歴はPDFをダウンロードしてご覧頂けます。

報告書全文(PDF:567KB)

講師略歴

 


 

開会挨拶

モデレーターを務めたJCIE理事長 大河原 昭夫は、グローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)が設立された背景として、母子および青少年の健康改善に対する取組みの遅れと深刻な資金不足があったことを説明した。サービスの届きにくい母子や青少年の保健、栄養状態の底上げに焦点を当て、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成を後押しするGFFは、人間の安全保障を標榜する日本の国際保健戦略にとって重要な核の一つとなり得ると期待を表した。

 

GFFとは

2011~14年にナイジェリア保健大臣を務め、本年7月にGFFディレクター兼世界銀行保健・栄養・人口担当グローバルディレクターに就任したムハマド・パテ氏は、世界の貧しい国々の母子や青少年の保健及び栄養指標を改善することを主要な目的に据え、GFFが2015年に設立されたことを紹介した。GFFの資金に紐づける形で、他の外部資金や事業実施国自身による国内資金、民間資金の動員を促すGFFの触媒的役割について説明し、GFFがUHC達成の核となり得る組織であると説明した。また、GFFに対する拠出国である日本は、投資家グループや信託基金委員会にも参画しており、重要なパートナーとして認識していると述べた。

 

GFFとJICAのパートナーシップについて

瀧澤 郁雄 JICA人間開発部次長は、GFF自身の資金と紐付ける形で他の資金を動員する点にGFFの大きな特徴があることを述べ、それを可能にするガバナンス機構である投資家グループにJICAが参画していることを紹介した。また、支援している国レベルでのGFFとJICAが持つ調和性について、ケニアやセネガルの例を挙げて紹介した。さらに、日本がGFFと連携する意義については、日本政府が推進する人間の安全保障やUHCの実現に対するGFFの貢献が大きいこと、公正が重要視される母子保健分野への国際的な連帯の価値を世界に発信できることを強調した。

 

討議

自見はなこ 参議院議員

参加した国会議員からは、アフリカの栄養を取り巻く状況について質問があり、パテ氏はおよそ200万人の子どもが栄養不良で苦しんでいる現状を伝え、GFFが資金の3分の1を栄養分野に投資していることを紹介した。胎児期から生後2歳に至るまでの1000日に起こる栄養不良は子どもの認知機能の発達を阻害し、学業や将来的な収入にも影響を与える。栄養状態の改善のためには教育や水・衛生など、マルチセクターでの取り組みが重要であり、来年日本で行われる栄養サミットは重要なプラットフォームであると強調した。

 

また別の議員は、目の前の窮状を救うことと同時に、持続可能性を担保するという意味においては安定した医療制度や医療保険制度の構築が重要である、と指摘した。パテ氏はこれに賛同しつつも、新しいシステムを一から導入するのではなく、その国の既存のシステムや制度を中心とし、政府のリーダーシップを生かした形での制度構築が確実な発展と持続性を生み出す上で重要であることを強調し、GFFや他のパートナーは各国の能力強化を協働で支援できると述べた。

事業の透明性や説明責任という点において市民社会の参画が重要であるという意見に対し、パテ氏は、国レベルでは国別プラットフォームに、また国際的なレベルでは投資家グループに市民社会の代表者たちが参加していることを伝えた。

 

田畑裕明 衆議院議員

SDGs達成を目指しているGFFは2030年までの時限的な取組みかという質問に対しては、パテ氏は、明確な期限は設けられていないものの、必要な資金はまだ十分ではないことを強調した。だからこそ、基礎的サービスに優先順位を置き、資源配分の効率性を向上させるGFFの役割がきわめて重要であることを訴えた。その上で、将来的にはGFFが世界から必要とされなくなることを願っている、と補足した。

 

 

 

 

 

 

[出席議員]

 安藤 高夫  衆議院議員(自由民主党)
 自見 はなこ 参議院議員(自由民主党)
 谷合 正明 参議院議員(公明党)
 田畑 裕明 衆議院議員(自由民主党)
 山川 ゆりこ 衆議院議員(立憲民主党)
 吉田 統彦  衆議院議員(立憲民主党)
<秘書代理出席>  
 今井 絵理子 参議院議員(自由民主党)

(五十音順敬称略、所属はブリーフィング実施時)

 


グローバルヘルスに関する議員ブリーフィングの過去の開催報告は、以下のリンクからご覧ください。

第3回「顧みられない熱帯病(NTDs)―― 今求められる日本の知見」(共催:JAGntd(Japan Alliance on Global NTDs)SDGs・プロミス・ジャパン

第2回「迫り来る薬剤耐性(AMR)の脅威、いま必要な政治のリーダーシップ」(共催:日本医療政策機構(HGPI)

第1回「米国のグローバルヘルス外交における連邦議員の役割

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