活動報告
日本国際交流センター(JCIE)では、少子高齢化による人口動態の変化と、グローバル化の進展による国境を超えて移動する人々の増加という2つの課題に向き合うために必要な視点の提示と政策立案に取り組んでいます。
現在の日本は、多様な国や地域の、様々なバックグラウンドを持つ人が生活者として、就労者として、地域社会の構成員として暮らす社会となっています。人のグローバルな移動のなか、日本社会も、いわば日本のグローバル化ともいうべき、多文化・多民族化が進展しているのです。加えて、こうした日本のグローバル化は、大都市か地方都市か、製造業か農業かなど地域や産業にかかわらず人手不足が進展しているという現状の背景にある少子高齢化と人口減少という国内の社会状況とも切り離すことができません。
グローバルな人の移動と、日本社会の少子高齢化を背景にして進展している日本社会のグローバル化へ対応するためには、人手不足の一時的な解消のための外国人労働者の受け入れというこれまでの議論を乗り越える視点と具体策が求められています。
こうした背景からJCIEでは、日本社会の持続的かつ安定的な発展や、海外からの人の受け入れ、外国人の能力開発と向上、在住外国人の日本社会への積極的な参画を含む包括的な視点と政策を提示することを目的に、2005年から在住外国人の役割に注目した「社会に活力を与える多文化社会構築プロジェクト」、「多文化パワープロジェクト」と、今後本格化する人口減少に対して移民受け入れを視野に入れた具体案の提示に重点をおいた「人口減少と外国人の受け入れ構想プロジェクト」を実施してきました。2015年からは、外国人にかかわる政治、経済、労働、文化、地域コミュニティなど、多様な側面についての論点を整理し、外国人を「人財」として捉える議論を進めるための土台作りを目的に、以下の活動を行っています。
最近の事業
助成「支援が届かない在留外国人等への人道的支援ー孤立に陥らないための支援体制の基礎作り」(特定非営利活動団体ジャパンプラットフォームとの共同事業、2021年3月~ )
調査研究 「新型コロナウイルス感染症拡大による外国人住民への影響についての自治体アンケート調査」(2020年)
助成・調査研究「外国ルーツ青少年未来創造事業ー外国にルーツをもつ子供・若者社会的包摂のための社会基盤作り」(2019年11月~)
- 助成対象事業
- 第一回「外国ルーツ青少年未来創造事業・ネットワーク会議」(2020年5月29日)
- 第二回 「外国ルーツ青少年未来創造事業・ネットワーク会議」(2020年11月18日)
- 住友商事(株)との連携プログラム
交流・調査研究「越境的移動における情報保障の社会基盤ー公正で安定した移住の実現に向けて」(2019年11月~)
政策対話「外国人材の受入れに関する円卓会議」(2018年7月~)
- 2020年度第三回「外国人材の受入れに関する円卓会議」(2021年1月20日)
- 2020年度第二回「外国人材の受入れに関する円卓会議」(2020年9月16日)
- 2020年度第一回「外国人材の受入れに関する円卓会議」 (2020年5月21日)
- シンポジウム「外国人労働者受入れと日本の未来ー九州・日本の視点から」(2019年11月26日)
- 2019年度第二回「外国人材の受入れに関する円卓会議」(2019年9月24日)
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2019年度第一回「外国人材の受入れに関する円卓会議」(2019年6月24日)
- 公開シンポジウム「外国人受入れと日本の未来:在留外国人基本法に向けて」(2019年3月29日)
- 2018年度第二回「外国人材の受入れに関する円卓会議」 (2019年2月14日)
- 2018年度第一回「外国人材の受入れに関する円卓会議」 (2018年11月30日)
交流・調査研究「移住当事者による政策提言:日韓の移住当事者の交流と学びあいを通じて」(2017年11月~2019年10月)
- 国際シンポジウム『移住者として生きるー「移民社会」日本と韓国の今とこれから』(2019年11月12日)
- 2019年度韓国視察交流プログラム(2019年7月7日~10日)
- 2019年度日本視察交流プログラム(2019年5月30日~6月2日)
- 2018年度日本視察交流プログラム(2018年8月23日~27日)
- 2018年度韓国視察交流プログラム(2018年4月25日~29日)
2017年以前の事業
調査研究
「多文化共生と外国人受入れについてのアンケ―ト調査2017」 (2017年)
「ドイツにおける移民・難民政策調査プロジェクト」 (2016年)
「多文化共生と外国人受け入れ」に関する自治体アンケート調査(2015年)
「東アジアにおける「人の移動」とシビル・ソサエティの役割―地域の安全と繁栄のために」(2014~2015年)
シンポジウム
「人口動態の変化とグローバルな人の移動-求められる政策的対応とは?」(2017年2月22日)
「ドイツはなぜシリア難民を受入れるのか?-ドイツの経験と日本への示唆」(2015年12月5日)