公募対象事業: 民間の公益活動団体が行う、エイズ予防教育・啓発、ソーシャル・ジャスティス(社会公正)、ユース・エンパワメント(青少年育成)の3分野の活動
公募期間: 2000年7月1日-8月28日
応募総数: 123件
助成決定数: 18件
助成金総額: 18万4千ドル(1990万円)

総評:
 リーバイ・ストラウス・コミュニテイ活動推進基金は本年で4年目を迎えましたが、過去最高の123件(エイズ分野20件、ソーシャル・ジャスティス分野38件、ユース・エンパワメント分野62件、分野外3件)の応募がありました。申請数は年々増加の一途をたどっており、外資系企業社会貢献活動による資金を元に日本の非営利機関が運営する初の助成プログラムとして、市民団体の組織基盤強化を重点においた助成内容を評価していただいていることの証であろうと大変心強く感じています。また近年のインターネットの普及や助成金情報誌・サイトの充実の影響などにより、重点対象地域はもとより、それ以外の府県からも多くの団体から申請がありました。

 申請のあった事業の中では特に、青少年を対象としたエイズ予防教育、女性や在日外国人のエイズ患者・HIV感染者へのケア、ドメスティック・バイオレンス、移民・難民、不登校児童・生徒などの課題を対象とするものが多くみられ、日本社会やコミュニティの抱える課題に多面的に取りくんでいる事業が多く寄せられました。また、法律の立案や制定過程に何らかの形で関わっている団体が多くみられたのも今年の特徴でした。

 選考にあたっては、独創的な事業であるか、一過性のイベント型ではなく継続的か、広く社会に波及効果をもたらすか、事業計画が具体的で実現可能か、日本社会にとって緊急の課題であるか、地域に根ざした活動であるか、団体の財政が健全で事業予算が適正か、公的資金や他の助成財団からの資金を得にくい内容か、単にサービスなどを提供するだけでなく問題を解決する力を持つか、青年層を担い手とする事業であるか、などが審査基準となりました。外部審査委員による審査および当基金審査会にて長期にわたる厳正なる審査をした結果、以下の18団体に助成を決定いたしました。今回、惜しくも選考に漏れた事業の中にも優れたものが多く見られました。これからも着実な活動を続けられ、来年以降再度申請していただくことを期待しております。

2001年助成事業(2000年公募)一覧
 (クリックすると詳細がご覧いただけます。)

【エイズ予防教育・啓発】(4件、助成総額4,000,000円)
団体名助成額事業名
特定非営利活動法人 AIDS & Society 研究会議(東京都) 100万円HIV/AIDS情報発信ステーションの開設及び運営
MASH大阪(大阪府) 100万円 大阪堂山地区を利用するMSMを対象としたHIV/STD感染予防介入および性的健康の増進に関する事業
HIVネットワーク沖縄(沖縄県) 100万円 青少年による同世代を対象としたエイズ予防教育・ 啓発
CRIATIVOS−HIV/AIDS関連支援センター(神奈川県) 100万円 在日ラテンアメリカ系住民のHIV感染者・AIDS患者支援及び、HIV抗体検査前後のカウンセリングと電話相談事業

【ソーシャル・ジャスティス(社会公正)】(9件、助成総額9,900,000円)
団体名助成額事業名
女性の家サーラー(神奈川県) 100万円 外国人女性のための緊急避難施設運営および母国語による相談プロジェクト
「主張するTシャツ」を集める会(埼玉県) 100万円 ドメスティック・バイオレンス根絶・予防のための啓発活動
セルフ・サポート研究所(東京都) 50万円 薬物依存症からの回復マニュアル出版
ASIAN PEOPLE'S FRIENDSHIP SOCIETY (APFS)(東京都) 100万円 外国籍住民とその家族の人権の擁護と権利の拡大
移住労働者と連帯する全国ネットワーク(東京都) 60万円 移住労働者のエンパワーメントのための英文情報誌 Migrant Network Newsの発行
特定非営利活動法人 市民フォーラム21・NPOセンター(愛知県) 200万円 在住アジア労働者のための活動・交流拠点「NPOプラザさかえ」整備事業
JFC(Japanese-Filipino Children)を支えるネットワーク(東京都) 80万円 日本人父親から養育を放棄されたり認知されていないJapanese-Filipino Childrenへの法的支援
特定非営利活動法人 NPO研修・情報センター(東京都) 200万円 自立のためのNPO「コミュニティ・レストラン」づくり支援事業
バザール・カフェ・プロジェクト(京都府) 100万円 バザール・カフェ・プロジェクト

【ユース・エンパワーメント】 (5件、助成総額6,000,000円)
団体名助成額事業名
チルドレンズ・エクスプレス・ジャパン(東京都) 200万円 子どものくもりない声を世界に発信−子どもの記事を一般メディアへ配信
フリースペースたまりば(神奈川県) 100万円 フリースペース「たまりば」の維持運営
烏山プレーパークをつくる会(東京都) 50万円 遊び場から「地域全体で子どもたちをみる」拠点づくり
特定非営利活動法人 発達共助連(東京都) 100万円 ディベロップメント・サポーター(DS)養成・技術向上事業
アフリカ・グローバル・リンク・プロジェクト(AGLP)(神奈川県) 150万円 アフリカ・日本の高校生による課題研究を通しての学校ネットワーク


助成事業詳細一覧

【エイズ予防教育・啓発】
 
■ 特定非営利活動法人 AIDS & Society 研究会議(東京都)
 
助成金額:100万円
事業名:HIV/AIDS情報発信ステーションの開設及び運営
 
<事業概要>
エイズ関連情報の収集・提供のハブ(中核拠点)機能を持つステーションを開設し、図書の閲覧やパソコンの利用等により情報を公開し、幅広くエイズの相談・問い合わせに応じる。HIV感染者に生活・雇用・ケアなどの面での情報コーディネートを行うほか、エイズNGO、エイズ拠点病院、関連機関などエイズに関わる多分野の機関の連携強化をはかるため情報誌の発行、各種イベント等の活動を行う。
 

■ MASH大阪(大阪府)
URL:http://www.mash.gr.jp
 
助成金額:100万円
事業名:大阪堂山地区を利用するMSMを対象としたHIV/STD感染予防介入および性的健康の増進に関する事業
 
<事業概要>
MASH大阪は、疫学研究者、大阪のゲイコミュニティのメンバー、NGO関係者、及び行政のエイズ予防担当者が協働体制で運営する組織。医師や看護婦/士等の保健医療関係者の協働も得て予防活動を展開している。大阪堂山地区を利用するMSM(男性と性行為をもつ男性)を対象にHIVやSTDの感染予防について情報を発信し啓発するとともに、効果的な予防介入プログラムを実施し、最終的に安全なセックスを実行できるよう行動変容を促す。開発された予防プログラムは、他地域のMSMやその他の属性を持つ人々を対象とした事業にも応用できるモデル・プログラムとなることも目指す。
 

■ HIVネットワーク沖縄(沖縄県)
 
助成金額:100万円
事業名:青少年による同世代を対象としたエイズ予防教育・啓発
 
<事業概要>
音楽、演劇、ニュース、新聞などのメディア等を通して視覚的なエイズ予防教育・啓発活動を行う。学校でのエイズ講演、チャリティーコンサートの開催、若者を対象としたエイズに関する機関誌の発行、街頭キャンペーン、パネルの展示なども行う。
 

■ CRIATIVOS−HIV/AIDS関連支援センター(神奈川県)
 
助成金額:100万円
事業名:在日ラテン・アメリカ系住民のHIV感染者・AIDS患者支援及びHIV抗体検査前後のカウンセリングと電話相談事業
 
<事業概要>
在日ラテン・アメリカ系住民のHIV感染者やAIDS患者を対象に、母国語によるHIV抗体検査前後のカウンセリング、電話相談、病院への付き添い・医療通訳、専門家を交えたミーティング・勉強会の開催、感染者の帰国支援等などを実施する。


【ソーシャル・ジャスティス(社会公正)】
 
■ 女性の家サーラー(神奈川県)
 
助成金額:100万円
事業名:外国人女性のための緊急避難施設運営と母国語による相談活動
 
<事業概要>
人身売買、管理売春、家庭内暴力や離婚、妊娠出産などの深刻な問題を抱える滞日外国人女性の緊急一時保護を行い、安全な避難場所と衣食を提供し、母国語によるカウンセリングと帰国や自立のための支援を行う。また電話相談、面接相談と継続的なサポートも同時に行い、日本に定住する外国人女性とその子ども達が安全で健康な生活を送ることができるように支援する。(3年目助成)
 

■ 「主張するTシャツ」を集める会(埼玉県)
URL: http://www.ne.jp/asahi/clothesline-japan/tshirt/
 
助成金額:100万円
事業名:ドメスティック・バイオレンスの予防・根絶のための啓発活動
 
<事業概要>
夫・恋人からの暴力(ドメスティック・バイオレンス)の経験をもつ当事者女性が自らの体験や主張を表現したTシャツを展示する活動や、DV問題に関する社会の関心を高める様々な活動により、DVの予防・根絶のための啓発を行う。
 

■ セルフ・サポ−ト研究所(東京都)
URL:http://www.kiwi-us.com/~selfss
 
助成金額:50万円
事業名:薬物依存症からの回復マニュアル出版
 
<事業概要>
薬物依存症(覚醒剤、シンナー、大麻などの主に違法薬物に依存することによっておこる中毒性の精神障害)に苦しむ依存者本人とその家族を対象に、薬物依存症に関する正しい知識や回復につながる情報提供を目的とした回復マニュアルを作成し、関係者・機関に配布する。
 

■ ASIAN PEOPLE'S FRIENDSHIP SOCIETY (APFS)(東京都)
URL:http://www.jca.apc.org/apfs/index.html
助成金額:100万円
事業名:外国籍住民とその家族の人権の擁護と権利の拡大
 
<事業概要>
在日アジア人をはじめとする外国籍住民に対する労働・医療・生活相談活動および日本で生活基盤をもつ未登録外国人とその家族の法的地位の確立のための支援活動を行う。(3年目助成)
 

■ 移住労働者と連帯する全国ネットワーク(東京都)
 
助成金額:60万円
事業名:移住労働者のエンパワーメントのための英文情報誌Migrant Network Newsの発行
 
<事業概要>
外国人当事者に日本の外国人法制度、入管政策、社会システム・習慣などに関する正確な情報を英文で提供する情報誌Migrant Network Newsを月刊で発行・配布する。2001年には医療、教育、女性、研修生問題などの年4回の特集号発行を計画している。(2年目助成)
 

■ 特定非営利活動法人 市民フォーラム21・NPOセンター(愛知県)
URL:http://www.sf21npo.gr.jp
 
助成金額:200万円
事業名:在住アジア労働者のための活動・交流拠点「NPOプラザさかえ」整備事業
 
<事業概要>
移住労働者が低料金で利用できるコミュニティ・スペース「NPOプラザさかえ」を開設・運営し、移住労働者によるNPO活動・市民事業の立ち上げ支援、スキルアップのためのインインターネット・パソコン教室の運営を行う。
 

■ JFC(Japanese-Filipino Children)を支えるネットワーク(東京都)
URL:http://www.jca.ax.apc.org/jfcnet
 
助成金額:80万円
事業名:日本人父親から養育を放棄されたり認知されていないジャパニーズ・フィリピーノ・チルドレンへの法的支援
 
<事業概要>
日本人男性とフィリピン人女性の間に生まれた子供(Japanese-Filipino Children)で、特に日本人父親から養育を放棄されたり認知されていない子供達に対して、父親捜し、養育費・認知交渉、国籍取得、両親の婚姻記載支援などの法的支援を行う。
 

■ 特定非営利活動法人 NPO研修・情報センター(東京都)
URL:http://www.jca.ax.apc.org/~ticn/
 
助成金額:200万円
事業名:自立のためのNPO「コミュニティ・レストラン」づくり支援事業
 
<事業概要>
障害者、外国人、シングル・ペアレント、シェルターから出ようとしている女性など現在の雇用システムの中では仕事を得にくい立場の人々に就労の機会を提供する非営利の飲食店「コミュニティ・レストラン」(コミレス)を起業・経営するコーディネーターを養成し、モデルとなるレストランを開設する。コミレスはまた、一般の人にとっても地域のコミュニティ・ビジネスとしてのNPO起業のモデルともなりうる。(3年目助成)
 

■ バザール・カフェ・プロジェクト(京都府)
 
助成金額:100万円
事業名:バザールカフェ・プロジェクト
 
<事業概要>
宣教師館を改装し1998年にオープンさせたカフェで、障害者など仕事を得にくい立場の人々を雇用して自立支援を促進し、カフェ内で障害者のデイケアを受け入れる。また、ケアスタッフを育成し、福祉を専攻する学生や海外からの実習生を受け入れる。同カフェは地域の市民活動に関わる人々の交流の場ともなっている。(3年目助成)


【ユース・エンパワーメント】
 
■ チルドレンズ・エクスプレス・ジャパン(東京都)
URL:http://www.cenews-japan.org/
 
助成金額:200万円
事業名:子どものくもりのない声を世界に発信-子どもの記事を一般メディアへ配信
 
<事業概要>
国際的メディアNPO「チルドレンズ・エクスプレス」(本部米国ワシントンDC)が2001年1月に開設する東京支局において、こどもの立場から大人の読者向けに記事を配信する事業。助成金は特に、日本の子どもジャーナリストが発信する記事の質を高めるため、プロの編集者を雇用する人件費にあてられる。この編集者は、子ども達に取材・編集技能のアドバイスを与え、また配信先の国内メディアとの関係を築く。
 

■ フリースペースたまりば(神奈川県)
 
助成金額:100万円
事業名:フリースペース「たまりば」の維持運営
 
<事業概要>
「たまりば」は、神奈川県下を中心に不登校児やひきこもり経験のある若者、高校中退者、精神障害を持った青年、在日外国人などに「居場所」を提供し、自己肯定感をとりもどせるような人間関係と自分とゆったりと向き合える時間を作り出すことを目的としたスペース。青少年へのケア・サポートや電話等による相談活動を常時行うほか、野外体験活動など青少年達が運営に参画するプログラムも実施。(2年目助成)
 

■ 烏山プレーパークをつくる会(東京都)
 
助成金額:50万円
事業名:遊び場から「地域全体で子どもたちをみる」拠点作り
 
<事業概要>
公園予定地となっているスペースに遊具等を設置して、定期的に地元の子どもたちに開放する遊び場を地域の住民が運営している。ここでは、「自分の責任で自由に遊ぶ」ことを主旨として、子どもたちの創造性や協調性、自主性を養う遊び環境を地域に作り出していくことを目的としている。プレーリーダーの青年が子どもと大人をつなげる役割を果たしている。
 

■ 特定非営利活動法人 発達共助連(東京都)
URL:http://www.asbl.co.jp/hk/
 
助成金額:100万円
事業名:ディベロップメンタル・サポーター(DS)養成・技術向上事業
 
<事業概要>
ディベロップメンタル・サポーター(DS)とは、不登校、LD(学習障害)、自閉症など「心身の不適応」状況下にある子どもたちの側にたって、遊び相手や相談相手になったりカウンセリングや学習支援を行い、子ども達がそれぞれのペースで成長していくことをサポートする人々のこと。親や医師、カウンセラーと子ども達の間の繋ぎ役であり、子ども達と年齢の近い大学生、大学院生が主な担い手となっている。DSは特殊な技能が必要となるため、本事業では特に、こうしたDSを新たに養成したり、経験者がさらに技術を向上させるための研修を行う。(2年目助成)
 
■ アフリカ・グローバル・リンク・プロジェクト(AGLP)(神奈川県)
 
助成金額:150万円
事業名:アフリカ・日本の高校生による課題研究を通しての学校ネットワーク
 
<事業概要>
ケニア、ガーナ、日本の高校がアフリカ・グローバル・リンク・プロジェクト(AGLP)クラブを組織し、ネットワークを結んで、商業・工業・農業などの分野でアフリカの農村部の生活改善にかかわりのある共通テーマを選んで「課題学習」を実施。毎年夏に生徒代表が「国際交流プログラム」に参加し、2週間程度の日程で、研究発表や課題に関係する施設の訪問、開催地域の文化等を紹介。2001年はガーナで各国の課題研究発表が行われる。(2年目助成)