主 旨

1980年代に報告されて以来、エイズは人類に大きな脅威をつきつけてきました。しかしその一方、この30年間のエイズとの闘いは「最も成功したソーシャル・ムーブメント」と言われるほど、広範なインパクトを生み出してきました。エイズをめぐる課題は、医療問題、経済問題、貧困や格差の問題であり、人間の尊厳や、生き方の問題でもあります。医師や科学者だけでなく、政府、民間企業、NGO、HIV陽性の人々やその支援者たちなど、様々な組織や個人の問題意識と行動が大きなうねりとなったことで、ついには国際政治を動かし、世界的なレベルで対策が取られるようになりました。こうした経験は、近年、途上国でも急増する慢性疾患など他の保健課題や、貧困問題や環境問題など他のグローバル・イシューの解決に対しても教訓を与えています。

本シンポジウムでは、国境を越えたウィルスとの闘いの最前線で活躍するピーター・ピオット氏を招き、近著の回顧録『No Time to Lose: A Life in Pursuit of Deadly Viruses』(一刻を争う:ウィルスとの闘いにかける生涯)を軸に、生涯をかけたウィルスとの闘いの舞台裏と教訓を語っていただきます。20代の若き研究者としてザイールでエボラ出血熱のアウトブレークに遭遇したピオット氏は、その後、アフリカの人々の感染症治療に深く関わり、未知の病であるエイズが出現してからは、人類最大の脅威であるウィルスと闘うために国際舞台で陣頭指揮をとってきました。科学者として、医師として、また国連機関のトップとして、そしてコミュニティの重要性を理解するアクティビストとしての視点から、エイズの現状と、広範なインパクトを生み出したムーブメントの促進力は何だったのかをうかがいます。

今も残る課題に対し、日本人に何ができるのか——医学的な貢献、政府の拠出やJICAの取り組み、国内での感染拡大の防止、NGO/NPOの支援などに多くの期待が寄せられています。第二部では、企業とエイズに着目し、アフリカ投資の前に立ちはだかるエイズという巨大な障害が経済にどのような影響を与えているか、さらに、南アフリカに進出したトヨタ自動車を例に、企業がエイズ問題といかに闘っているか、エコノミストの視点から研究成果をご紹介します。感染症対策は、従業員の命と生活を守る企業の社会的使命であると同時に、対途上国CSRや医療ビジネス開拓の前にひろがるフロンティアでもあります。また、企業のグローバル展開を助ける官民連携の外せない環として日本の政策的課題でもあるのです。

世界エイズデーである12月1日を前にエイズについて考えるとともに、来年開催予定の第五回アフリカ開発会議(TICAD V)のための糧としていただければと思います。奮ってご参加下さい。

【参加申込受付は終了しました】


開催情報

日時2012年11月29日(木)16:00~18:20(18:20~レセプション)
開場時刻:15:00
 参加費 無料
定員250名 ※先着順。定員になり次第、締め切らせていただきます。
言語日英同時通訳あり
会場政策研究大学院大学(GRIPS)1F 想海樓ホール
東京都港区六本木7-22-1 ...会場へのアクセスはこちら (政策研究大学院大学ウェブサイト)
主催日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所
公益財団法人日本国際交流センター/世界基金支援日本委員会
協力公益財団法人エイズ予防財団
特定非営利活動法人AIDS&Society研究会議
申込ウェブサイトからのお申込みのみとなります。上記お申込みボタンをクリックし、登録フォームをご記入の上
お申込みください。 お申込み受付後、「参加証」を送付いたします。(お申込み締め切り:11月26日17時)

お問い合わせ:
日本貿易振興機構アジア経済研究所 成果普及課(担当:石垣、橋本)
TEL:043-299-9536、FAX:043-299-9726、e-mail:sympo-sc@ide.go.jp


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