活動報告 Activities

ドイツ

2015.12.05

シンポジウム「ドイツはなぜシリア難民を受入れるのか?-ドイツの経験と日本への示唆」

日本国際交流センター(JCIE)は、認定NPO法人難民支援協会との共催で、12月5日に法政大学においてシンポジウム「ドイツはなぜシリア難民を受入れるのか?-ドイツの経験と日本への示唆」(協力:フリードリヒ・エーベルト財団、後援:ドイツ連邦共和国大使館)を開催しました。 シリア難民問題が国際社会において重要な課題になっている今、ドイツはシリア難民の受け入れ・問題においてリーダシップを発揮しています。このシンポジウムは、こうした状況を踏まえて、難民に対するドイツのこれまでの姿勢や、国内での対応状況などについて理解を深めるとともに、ドイツの対応から日本は何を学べるのかについて考えることを目的として行われました。 シンポジウムの概要は以下のとおりです。   第1部 基調講演 毛受敏浩JCIE執行理事による開催挨拶に続き、今回のシンポジウムに際してのドイツ大使からのメッセージが読み上げられた。ドイツ大使からのメッセージ[132KB]   第1部では、最初にアンドリュー・ホルバート城西国際大学招聘教授が「難民急増とドイツの対応」について講演を行った。   ホルバート教授は、自身の家族がハンガリーからカナダへ難民として渡った経験を元に、難民が日本でイメージされるような社会の負担になる存在ではなく、社会に貢献する存在となることを紹介した。また、ヨーロッパにおいて、冷戦時代の経験の違いなどから、西欧と東欧の間に難民や移民に対する考え方の違いがあるとの見解を述べた。そして、日本では、外国人に対して日本人と同様の日本語レベルを求めるがゆえに無意識に言語差別を行ったり、日本の習慣に対する理解を強く求めたりするなど、外国人との接触や、受け入れに大きな障壁が存在することを指摘した。   続いて、久保山亮専修大学兼任講師が「難民とドイツの国内事情」について基調講演を行った。久保山氏は、戦後のドイツの移民・難民受け入れについての変遷を述べるとともに、現在、ドイツでは移民受け入れによる経済的メリットを引き出すことを重要視しているとの見解を述べた。また難民については、ドイツ基本法(憲法)に難民に関する規定が明記されていること、過去に年間数十万人単位で難民を受け入れたことがあり、その過程における試行錯誤が、今回の受け入れにおいて生かされていることを指摘した。   そして、これまでドイツの難民・移民の受け入れおいては、自治体や、地域のNPO/NGOが重要な役割を果たしており、シリア難民の受け入れも草の根の組織の支援・ボランティア活動が大きな役割を果たしていることを強調した。     第2部 パネルディスカッション パネルディスカッションにおいては、JCIE毛受敏浩執行理事のモデレーションで、ホルバート、久保山の両氏に加え、石合力氏(朝日新聞社国際報道部長)、守屋由紀氏(UNHCR駐日事務所広報官)、石川えり氏(難民支援協会代表理事)の5人のパネルによる議論が行われた。   まず、石合、守屋、石川の3氏が、難民受け入れに対するドイツの対応と現状に関する基調講演をもとに、ドイツの取り組みについての見解や感想を述べた。その後は、パリでの同時多発テロ(2015年11月14日)がシリア難民問題への対応と受け入れに与える影響についての議論が行われた。そこでは、難民の受け入れがテロリストの入国に直決するとの単純な理解ではなく、テロを難民問題と混同せず、難民問題に対しては冷静に対応すべきとの議論がなされた。   また守屋氏、石川氏は、難民支援を行う当事者として、日本における難民受け入れの問題・課題や、難民に対する正しい理解と、難民による社会貢献等についての情報提供の必要性などについて意見を述べた。最後は、難民や移民の受け入れに消極的な日本社会、日本人に、社会の多様性を受け入れるために何が求められるのかをめぐって議論を行い、パネルディスカッションを終了した。  

2015.10.29

日独フォーラム第24回合同会議

第24回日独フォーラムが、10月27日から29日の三日間にわたり東京で開催されました。日独フォーラムは、1992年の宮沢・コール日独首脳会談により設立が合意され、1993年2月に発足した民間レベルの対話フォーラムで、JCIEは第1回より運営等の協力をしています。

2011.04.01

日独フォーラム

日独フォーラムは、1992年の宮沢・コール日独首脳会談により設立が合意され、翌年2月に発足した民間レベルの対話フォーラムです(設立時の名称は日独対話フォーラム、1999年に改称)。 中長期的な二国間関係の発展強化を目指し、両国関係について幅広い検討を行い、日独間の相互理解の増進と関係の緊密化に貢献することを目的として年1回の合同会議を開催しています。日本国際交流センター(JCIE)は第1回より日独フォーラムに運営等の協力をしています。     最近のフォーラム 日独フォーラム第31回合同会議(ドイツ ベルリン)2023年11月16日-17日 日独フォーラム第30回合同会議(日本 東京)2022年11月17日-18日 日独フォーラム第29回合同会議(WEB会議)2021年5月20-21日 日独フォーラム第28回合同会議(日本 東京)2019年12月4日-6日 日独フォーラム第27回合同会議(ドイツ ベルリン)2018年10月17日-19日 日独フォーラム第26回合同会議(日本 東京) 2017年11月15日-17日 日独フォーラム第25回合同会議(ドイツ ベルリン) 2016年10月18日-20日 日独フォーラム第24回合同会議(日本 東京) 2015年10月28日-29日 日独フォーラム第23回合同会議(ドイツ ベルリン) 2014年11月5日-6日 日独フォーラム第22回合同会議(日本 東京) 2013年10月29日-30日 日独フォーラム第21回合同会議(ドイツ ベルリン) 2012年11月6日-7日 日独フォーラム第20回合同会議(日本 東京) 2011年10月4日-5日 日独フォーラム第19回合同会議(ドイツ ベルリン) 2010年11月11日-13日 日独フォーラム第18回合同会議(日本 東京) 2009年11月4日-6日 日独フォーラム第17回合同会議(ドイツ ベルリン) 2008年11月25日-26日 日独フォーラム第16回合同会議(日本 東京) 2007年10月2日-3日 日独フォーラム第15回合同会議(ドイツ ベルリン) 2006年10月12日-14日 日独フォーラム第14回合同会議(日本 東京) 2005年10月14日-16日 日独フォーラム第13回合同会議(日本 東京) 2004年10月8日-10日 日独フォーラム第12回合同会議(ドイツ ベルリン) 日独フォーラム第11回合同会議(ドイツ ベルリン) 2003年3月5日-7日 日独フォーラム第10回合同会議(日本 東京) 2002年2月2日-4日

公益財団法人 日本国際交流センター

〒107-0052
東京都港区赤坂1丁目1番12号 明産溜池ビル 7F

Tel.03-6277-7811 Fax.03-6277-6712


米国法人 日本国際交流センター (JCIE/USA)

475 Riverside Drive, Suite 731

New York, NY 10115 USA

Tel: +1 (212) 679-4130


日本語サイト https://www.jcie.or.jp/japan

グローバルサイト https://www.jcie.org

Copyright © Japan Center for International Exchange (JCIE)