当センターでは、外務省、国際協力機構との共催、日本グローバルヘルス協会、米国のパシフィック・ヘルス・サミットの協力を得て、アジア太平洋地域の健康増進に資する革新的なパートナーシップの役割を検討するハイレベル会合を開催した。
国境を超えた人やモノの移動の流動化に伴い、感染症は国境を超えて蔓延するようになり、また、たとえ一国・地域内にとどまる疾病や怪我であってもグローバル市場や労働力に深刻な影響を与えるようになってきた。今日、アジア太平洋地域の多くの国では感染症や非感染性疾患など疾病による負荷が増大し、保健問題が大きな課題となっている。しかし同時にこの地域は、問題解決のための新たな手法やリソースの宝庫ともなりつつある。疾病負荷の増大に伴い、いかなるセクターも単独ではグローバルヘルスの課題に対応しえないことは明らかになってきた。持続可能な形で命を守り健康を増進するためには、一国内でも地域としても、セクターを超えたパートナーシップが不可欠である。
本会合ではこうした認識に基づき、日本およびアジア太平洋地域の政府関係者、二国間援助機関、国際機関、企業、財団、NGO、メディアなど約120名の参加を得て、医薬品などの開発やデリバリーを拡大するための仕組みづくり、保健上の目標を達成するための官民パートナーシップ、保健問題解決のための革新的な資金メカニズムなどのテーマをとりあげ、アジア太平洋地域及び域外に見られる革新的なパートナーシップの教訓に学び、そうした成功事例を導入し拡充する道筋と課題について議論した。
日時: | 2011年10月24日(月)9:00〜16:00 |
会場: | ホテル・オークラ東京 |
共催: | 外務省、独立行政法人 国際協力機構、公益財団法人 日本国際交流センター |
特別協力: | 一般社団法人 日本グローバルヘルス協会、パシフィック・ヘルス・サミット |
助成・協賛: | ビル&メリンダ・ゲイツ財団、世界銀行、グラクソ・スミスクライン、エクソンモービル・ジャパングループ |
プログラム
(各タイトルをクリックするとUstream上で会議映像を視聴可能です。)
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9:00-9:20
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- 開会セッション
- モデレーター:
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開会挨拶 グローバルヘルスにおけるアジアのリーダーシップ
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 | 基調講演(ビデオ・メッセージ) ※映像後半より
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 | 問題提起
尾身 茂 | 自治医科大学教授、名誉世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長 |
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9:20-10:45 | セッション1:開発とデリバリーの拡大―規模の経済の創出
- モデレーター:
- 渋谷 健司 日本グローバルヘルス協会副理事長
- パネル:
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トリヨノ・スンドロ | インドネシア保健省保健リスクコントロールに関する大臣上級顧問 |
ブルース・アイルワード | 世界保健機関(WHO)ポリオ・緊急事態・カントリーコラボレーション事務局長補 |
ダニエル・トゥール | ユニセフ(国連児童基金)南アジア地域局長 |
高尾 剛正 | 住友化学株式会社代表取締役・専務執行役員 |
チェ・デヨン | LG ライフ・サイエンス社生命科学研究開発ワクチン事業部長 |
ディスカッション
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11:00-12:30 | セッション2:保健目標達成のための効果的な官民パートナーシップ
- モデレーター:
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ジェームス・チャウ | 中国中央電視台(CCTV)英語放送アンカー、国連合同エイズ計画(UNAIDS)親善大使 |
- パネル:
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エンリケ・T・オナ | フィリピン保健大臣 |
レー・クアン・クオン | ベトナム保健省医療戦略・政策研究所所長 |
ヘレン・エバンス | GAVI アライアンス(旧ワクチンと予防接種のための世界同盟)事務局次長 |
中村 景子 | グラクソ・スミスクライン(GSK)ワクチン政策情報室長 |
ジェームス・M・ジョーンズ | エクソン・モービル財団 コミュニティ投資マネージャー |
ディスカッション |
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12:30-13:40
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ランチ・パネル:アジア太平洋での成功例とパートナーシップ構築の機会
- モデレーター:
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高須 幸雄 | 国連事務総長特別顧問(人間の安全保障)、外務省参与 |
- 特別講演
川口 順子 | 参議院議員、世界の子どもたちのためにポリオ根絶を目指す議員連盟幹事長 |
- パネル:
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小寺 清 | (独)国際協力機構(JICA)理事 |
張 在潤 | 韓国国際協力団(KOICA)政策企画部長 |
ウェイド・ワレン | 米国国際開発庁(USAID)国際保健局長官補代理 | |
ディスカッション
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13:50-15:15 |
セッション3:革新的かつ持続可能な資金援助のためのパートナーシップ
- モデレーター:
ケネス・クキエ | エコノミスト誌東京特派員(ビジネス担当) |
- パネル:
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ムハマド・アリフ・アジム | パキスタン州間調整省次官 |
越川 和彦 | 外務省国際協力局長 |
クリストフ・ベン | 世界エイズ・結核・マラリア対策基金渉外・パートナーシップ局長 |
リチャード・エンリケス | ビル&メリンダ・ゲイツ財団最高財務責任者 |
トーマス・パル | 世界銀行リード・ヘルス・スペシャリスト |
ディスカッション
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15:15-15:55
| ラップアップ・セッション―次のステップに向けて
- モデレーター:
スーザン・ハバード | 米国法人 日本国際交流センター シニア・アソシエイト |
- パネル:
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松浦 博司 | 外務省国際協力局地球規模課題総括課長 |
デービッド・ボーウェン | ビル&メリンダ・ゲイツ財団グローバルヘルス政策・アドボカシー担当副ディレクター |
クリストフ・ベン | 世界エイズ・結核・マラリア対策基金渉外・パートナーシップ局長 |
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15:55-16:00 |
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- 閉会挨拶
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会議映像一覧