アジア・パシフィック・アジェンダ・プロジェクト(Asia Pacific Agenda Project: APAP)はアジア太平洋地域の主要なシンクタンク・研究機関の国際コンソーシアムで、アジア太平洋の9機関を運営委員会として96年に発足した。日本外務省の国際拠出金に加えて参加各国の政府・財団等の資金協力を得て運営され、当センターが事務局を務めている。

APAPでは、毎年1回、参加機関を中心にアジア太平洋地域の研究機関、財団、研究者、ジャーナリスト等を集めて全体会議を開催している。1999年度には、沖縄の那覇において、15カ国から約50名の参加者を得、2日間の日程で「アジア太平洋の地域的連帯の再評価と将来への展望」を中心に討議を行った。
今回のフォーラムには小渕恵三総理も特別に参加され、 7年ぶりのアジアでの開催となった2000年7月の沖縄サミットを念頭において、一堂に会したアジアの有識者の声に耳を傾け、またアジア太平洋における沖縄の位置や役割を再認識する機会ともされた。

2日にわたった会議では、まず冒頭に「アジアにおける沖縄の位置と役割」が討議され、琉球大学の高良倉吉教授を中心とする沖縄の特別研究チームから、「沖縄イニシアティブ」(全文)が提唱された。これは、沖縄の歴史的、文化的、政治的特質に積極的な自己評価を与え、日本社会の一員としての沖縄の創造的役割を見いだそうとする提案で、沖縄の識者による新しい沖縄の位置づけとして注目を集め、会議後に沖縄の地元紙に全文掲載されたほか、全国紙の特集やコラムでも取り上げられるなど、大きな反響を呼んだ。
次いで、「アジア太平洋地域的コミュニティの促進と地域間協力の再評価」がとりあげられ、政府レベル、民間レベルの域内協力の現状が既存の地域機関の役割を中心に検証された。とりわけ、(1)東アジアの金融・経済危機への地域的対応、(2)アジア太平洋における自由貿易システムの構築への協力、(3)煙害に象徴される地域的環境問題への地域的協力、(4)東チモール情勢をめぐる地域的安全保障協力等については、パネリストから具体的な事例報告がなされ、域内協力の現状と今後の課題に関して討議が行われた。
その後、こうした密度の濃い討議をとりまとめていく中で小淵総理一行をお迎えし、アジア太平洋共同体の構築に向けての展望と課題について、アジア諸国の有識者から凝縮されたコメントがなされるとともに、総理との対話がもたれた。

会議報告書は、Community Building in Asia Pacific: Dialogue in Okinawa(英文)として刊行済みである。