「アジアの明日を創る知的対話」は、アジアの知的資源を動員してヒューマン・セキュリティ(人間の安全保障)上の課題に対処することを目的とした政策対話プロジェクトである。このプロジェクトは、小渕恵三首相が、1998年5月の外務大臣当時にシンガポールで行った政策演説で、アジアの経済危機の社会的影響に対処するためにアジア諸国間の知的相互協力の推進を提唱されたことをフォローアップする形で、当センターとシンガポールの東南アジア研究所が共催し、継続的な政策対話として1998年に開始された。

1998年度の第1回東京会議(成果刊行物:『アジアの危機・ヒューマン・セキュリティーへの脅威と対応』+英文 The Asian Crisis and Human Security)に続く、99年度の第2回シンガポール会議では、「持続可能な開発とヒューマン・セキュリティの推進」をメインテーマとし、(1)ガバナンス向上の課題:アジア・モデルはあり得るか、(2)ソーシャル・セーフティーネット:その必要性と実現の可能性、(3)人的資源の開発:未来への投資、 (4)環境保護:経済成長との適正バランス、(5)国際機関と地域機関の役割、(6)シビル・ソサエティの役割、(7)将来に向けての知的アジェンダ等をめぐる討議と、「ヒューマン・セキュリティの課題への対応とセクター間の協力」に関するパネル・ディスカッションが行われた。
また、1998年度ノーベル経済学賞受賞者アマルティア・セン教授(ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ学長)が、基調講演「危機を越えて−アジアの開発戦略」を行った。
討議の概要、セン教授による基調講演、英文主要文献一覧などは報告書にまとめられ、英文では99年12月に"Sustainable Development and Human Security"として、和文では2000年4月に『持続可能な開発とヒューマン・セキュリティの促進』(PDFファイルでのダウンロードも可能)として刊行されている。

なお、2000年6月に は第3回バンコク会議が開催されている。