活動報告

日本国際交流センター(JCIE)は東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)との共催でウェビナー「Why Oral Health Matters for an Aging Asia -Addressing Oral Health in the Context of Healthy Longevity」(オーラルヘルスと健康長寿~高齢化するアジアにおける口腔保健の重要性~)を2021年9月8日に開催しました。

 

 

 

 

 

ウェビナーの概要は以下の通りです。英文概略および講師略歴はこちらのAHWINウェブサイト(英文)からご覧ください。

 

概要

  • 多くの調査研究により口腔内の健康(歯の数、咀嚼能力)は、平均寿命だけでなく、65歳時点以降の健康寿命にも関係することが明らかになってきた。また、歯周病と糖尿病との相互関係や、歯周病と心疾患、脳卒中、認知症など様々な疾患のリスク増加との因果関係も指摘されるようになった。
  • 日本の8020運動は、歯科関係者だけでなく、政府や公的な関係機関や民間企業などさまざまな関係者を巻き込むことで、国民の口腔衛生を促進することに成功した。また、その時々に得られたデータに基づいて将来の目標を設定することの重要性も強調された。
  • 健康・保健に関する政策や戦略作りを支援し、実施する上で、各国ごとに公衆衛生関連のオペレーションリサーチや、口腔保健と一般保健の関連性に関する疫学研究をしっかりと行い、国別のデータとしてまとめることが、非常に重要であることが再確認された。
  • 口腔保健を国全体の包括的な保健医療ケアシステムに組み込むためには、測定可能な指標を用いた定期的なモニタリングの体制構築が不可欠であり、タイでは国レベルの指標として、人口カバー率、サービス提供、ケアへのアクセス、口腔保健サービスへの資金提供をその指標としており参考となる。
  • 口腔ケアは基本的な保健ケアの一環として重視されるべきであり、さらに疾病予防だけでなく、機能維持の視点からも、口腔機能を維持するための口腔フレイル対策を定期的に行うなど、身体的フレイル対策の一環として口腔ケアに取り組むことが重要である。
  • 口腔の健康は、妊娠中の母親から乳幼児、学童、成人、高齢者まで、すべての年齢層に関わる課題であり、日本やタイの例に見られるように、全世代にわたるシームレスな医療サービス網を提供するライフコースアプローチを実現するには皆保健(保障)制度の整備が重要な役割を果たす。
  • 日本では乳幼児、就学期の歯科検診が一般健診に効果的に組み込めている一方、成人期以降の歯と口腔機能を守る仕組みの強化が課題である。

 

出演者  

◆モデレーター  
 齋藤 安彦 日本大学経済学部経済学科研究特命教授、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA) シニア・アドバイザー
◆発表者  
 佐藤 保(動画出演) 日本歯科医師会副会長、8020推進財団副理事長
   恒石 美登里(動画出演) 日本歯科医師会日本歯科総合研究機構主任研究員、8020推進財団理事
   ベイ・ウー  ニューヨーク大学ローリー・マイヤーズ看護学部、グローバルヘルス学科教授、グローバルヘルス・エイジング研究ディレクター
   ヴォラモン・アグラスタ  タイ国公衆衛生省・保健課・歯科保健局・オーラルヘルスシステム開発主任
   小川 祐司 新潟大学大学院医歯学総合研究科 予防歯科学分野教授
◆閉会挨拶  
 加藤 拓馬 東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA) スペシャル・アドバイザー
   

◆司会

 

 キム・グールド・アシザワ

米国法人日本国際交流センター(JCIE/USA)シニア・アドバイザー

 

 

 

 

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