活動報告


 

日本国際交流センター(JCIE)は、「外国ルーツ青少年未来創造事業」(以下、SYDRIS)と住友商事株式会社の社会貢献活動プログラム「100SEED」(以下、100SEED)との連携事業を2020年より実施しています。

 

JCIEでは、日本に暮らす外国にルーツをもつ子ども・若者を取り巻く現状や課題、またその課題解決に向けての取り組みの重要性への理解とともに、SYDRISと100SEEDの連携を深めることを目的に、2021年より住友商事グループの役職員を対象とした「SYDRIS-100SEED多文化共生ランチウェビナー」を実施してきました。

 

今年度の第1回目は「主体的に考える力を支える『キャリア支援』」をテーマに9月2日、ランチウェビナーを開催し、住友商事の役職員約65名が参加しました。

 

初めに、SYDRISの助成団体である特定非営利活動法人glolabのコーディネーター李澍(り・しゅ)氏より、外国にルーツをもつとはどういうことか、外国ルーツ青少年が抱えやすい、日本語の壁、日本社会・文化への不適応、日本の教育制度への理解不足などを例に挙げ、ご自身の経験をもとに、心情を含めて語りました。日本で暮らしていく中で、自分で情報収集し、学校や自治体の支援制度を利用して解決できる課題もあったが、一番力になったのは、真剣に自分の将来のことについて話を聞いて、一緒に考えてくれた大人の存在だった、という印象深いメッセージをいただきました。

 

李氏の発表に続き、住友商事のサポートチームから3名が登壇し、各自のサポート活動の内容、本業との兼ね合い、参加するやりがいや課題などをそれぞれが述べました。glolabのコーディネーター李氏と共にサポート活動に取り組んでいるサポートメンバーからは、外国ルーツという、似た境遇を共有する生徒・先輩との夏合宿のことを紹介し、多様な価値観や様々な大人との出会いを通して、子どもたちに生き方や将来について考える機会を提供することを大切に、glolabの企画・運営をサポートしている、といった心構えなども共有されました。

 

最後に、モデレーターを務めたJCIE委嘱研究員 和田吾雄彦アンジェロの「住友商事の社員としてできることは何か」という問いに対して、住友商事のサポートメンバーからは、普段とは異なる業界で働いている方々と接するため、新鮮な視点から業務の改善を提案することができ、双方の成長につなげられているといった感想が述べられました。また、他のサポートメンバーからは、NPO職員には企業勤めをしている人も多く、住友商事の社員と共通する部分があり、またそういった方々の社会的課題解決に対する姿勢はよい刺激になっているとしました。社会的課題に対しては、一朝一夕ですぐに解決できるものではなく、達成感はなかなか得られにくいことは事実としつつ、受け入れ団体側の李氏とサポートメンバーそれぞれの立場でこのサポート活動のやりがいが共有され、アットホームな雰囲気の中、会は締めくくられました。

 

これまでの「100SEEDxSYDRIS」ウェビナー

 

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